AI向けデータセンターの電源として注目されるガスタービンエンジン。写真=Shutterstock

AI向けデータセンターの拡張が加速するなか、電力確保の新たな制約としてガスタービン不足が浮上している。天然ガス火力発電設備への需要が急増する一方、主要メーカーの供給は逼迫しており、電源調達の遅れにつながる可能性が高まっている。Gizmodoが8月24日(現地時間)に報じた。

AIインフラを巡っては、これまで半導体やメモリ、ストレージに加え、データセンター向けの電力供給インフラも制約要因とみられてきた。足元では、一部のAI企業が長期的な電力コストの抑制を狙い、自社敷地内に天然ガス発電設備を整備する動きも出ている。

BloombergNEFによると、こうした発電設備をすでに導入済み、または建設中のデータセンターは100カ所に達する。PwCは、AI業界の天然ガス消費量が2035年までに5倍超に増えると見込んでいる。

メーカー側の説明からも、供給難は鮮明になっている。GE Vernovaは2026年7月22日の決算説明会で、大型ガスタービンは現時点で発注しても受け渡しが2031年になるとの見通しを示した。

さらに、2026年末までに2031年生産分の予約枠の過半が埋まる見通しだとも説明した。

Siemens Energyは、納期に3年以上かかるとしている。Mitsubishi Heavy Industriesは、2026年3〜6月に受注した案件を2028〜2030年にかけて納入する予定で、受注案件を選別していると説明した。

こうした需要増を背景に、発電設備価格も上昇している。2023年から2025年にかけて、価格は2倍になった。

電力需要の伸びはさらに急だ。Goldman Sachsは、米国のデータセンター向け電力需要が2025年の31GWから、2026年に41GW、2027年には66GWへ拡大すると分析した。

一方、供給能力の増加見通しは、2025年が8.5GW、2026年が13.6GW、2027年が36.3GWとなっている。

ただ、この供給拡大が計画通りに実現するかは不透明だ。GE Vernovaの年間ガスタービン生産能力は約20GWだが、このうちデータセンター向けに振り向けられるのは5分の1にとどまるという。

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