Kakaoは8月21日、カカオAIとカカオXへの人的分割を決議した。取締役会や社内投資審議で子会社関連の案件が大半を占め、AI時代に機動的な意思決定が難しかったことが背景にある。分割後は、子会社支援と投資をカカオXに集約し、カカオAIはAIサービスや広告、コマースなど中核事業に集中する。
同日の記者懇談会で、カカオX代表に内定しているキム・ドヨン氏が分割の狙いを説明した。キム氏によると、過去5年間のKakao取締役会における定例外の意思決定案件のうち、子会社関連は23件で全体の約85%を占めた。直近1年の経営陣主導の社内投資審議でも、32件中84%が子会社関連だったという。
これらの案件は、将来Kakao並みに成長する企業への投資ではなく、主に業績が低迷する子会社への資本支援や貸付対応に集中していた。資本市場がB2C向けAIサービスの事業化や収益モデルの明確化を求める一方で、経営資源は中長期の成長課題ではなく、緊急対応に振り向けられてきたとした。
Kakaoは同日開催した取締役会で、新設法人のカカオAIと存続法人のカカオXに人的分割する議案を決議した。分割比率は純資産の帳簿価額ベースで、カカオAIが0.36、カカオXが0.64となる。
子会社の規模は半期報告書にも表れている。Kakaoの半期報告書によると、6月30日時点のKakaoグループの関係会社は国内外で152社、このうち国内は92社だった。Kakaoは過去2年あまりにわたり、非中核事業の整理を進め、関係会社数を減らしてきたとしている。
分割後は、2社の取締役会がそれぞれ異なる役割を担う。キム氏は、カカオAIを「トーク」とAI技術を軸とする事業会社と位置付け、インフラやサービスを支援する子会社のみを傘下に置くと説明した。一方のカカオXは、グループ各社の持分を保有する投資会社として、子会社支援と投資を担う。
子会社への資本支援や貸付といった案件はカカオXの取締役会に移し、カカオAIの取締役会ではAIサービスや広告、コマース関連の意思決定に集中する。カカオAI代表に内定しているチョン・シナ氏も、今回の分割によって子会社管理という重い役割を切り離し、中核事業に集中できる体制が整うと述べた。
CA協議体は廃止、持株会社化も否定
分割後は、グループのコントロールタワー役を担ってきたCA協議体も維持しない。キム氏は、従来のCA協議体のような共同組織は今後不要になるとの見方を示した。これまではKakao本体が「KakaoTalk」基盤事業と子会社管理を同時に担っていたため協議体が必要だったが、役割を切り分ければ存在理由がなくなるという。
カカオXを持株会社へ転換する計画についても否定した。キム氏は、持株会社化の計画はないと明言した。ただし、Kakao Enterpriseについては、適格分割の要件を満たすため、分割直後はいったんカカオXの子会社として発足し、その後、事業の関連性を踏まえてカカオAI傘下へ移す案を取締役会で協議する予定だとした。
懇談会では、カカオAIの分割比率が低いとの指摘も出た。これに対しキム氏は、人的分割比率は関連規定に基づき、各法人が保有する資産の純資産価額比率で決まると説明した。2社の連結営業利益は同程度の水準だが、帳簿価額ベースでは0.36対0.64に分かれる一方、利益創出力は同等だとした。
さらに、純資産価額ベースの配分は企業価値と乖離し得ると認めつつも、再上場時に市場で改めて評価されるため、持分比率を維持できれば株主価値の毀損にはつながらないとの認識を示した。キム・ボムス創業者とK Cube Holdingsが保有する持分も、分割の前後で比率を変えず、両社に同一比率で配分される。
株主還元策も示した。カカオXは子会社からの配当収益の30%を優先配当し、投資収益が発生した場合は30%を特別配当として還元したうえで、残る70%を再投資に回す。あわせて、Kakao Investmentが保有するDunamu株の売却代金1兆6000億ウォンから投資元本と税金を差し引いた額の30%水準に当たる3000億ウォンを、分割に合わせて自社株買いと消却に充てる。