退職年金加入者が保有商品を売却せずに金融機関だけを切り替える「実物移管」の累計額が、制度開始から約1年8カ月で15兆9000億ウォン規模に達した。なかでも銀行から証券会社への移管が約5兆2000億ウォンと最も多く、退職年金マネーの証券会社へのシフトが鮮明になっている。
金融監督院は24日、退職年金の実物移管サービスの改善に向けたタスクフォース(TF)の初会合を開き、制度見直しの課題を議論したと明らかにした。
金融監督院によると、実物移管サービスが始まった2024年10月31日から2026年6月末までの累計移管額は15兆8699億ウォン、件数は約25万件だった。1日平均では261億ウォン、409件の移管が行われた。
2026年に入ってからは資金移動の勢いが一段と強まった。2026年上期の移管額は6兆9000億ウォンで、前年同期の3兆2000億ウォンの2倍を超えた。
半期ベースでみると、移管額は2024年下期の1兆9000億ウォンから、2025年上期は3兆2000億ウォン、同下期は3兆8000億ウォンへ拡大し、2026年上期には6兆9000億ウォンまで増えた。
業態別では、銀行から証券会社への移管額が5兆2225億ウォンで全体の33%を占め、最も多かった。銀行間の移管も4兆4817億ウォンと、全体の28%を占めた。
流出入を差し引いた純額では、証券業界が4兆1513億ウォンの純流入だった。一方、銀行は3兆9714億ウォン、保険は1799億ウォンの純流出となった。
制度別では、個人型退職年金(IRP)の移管額が6兆7695億ウォンで最も多かった。確定拠出型(DC)は4兆8192億ウォン、確定給付型(DB)は4兆2812億ウォンだった。DCとIRPでは銀行や保険会社から証券会社への移管が目立つ一方、DBでは証券会社から銀行・保険会社へ移る傾向がみられた。
金融監督院は、制度運用の過程で浮上した課題の見直しにも着手する。現行制度では、実物移管は同一制度間に限られており、DC口座の資産を他社のIRPにそのまま移すことはできない。償還が停止されたファンドを保有する口座も、実物移管の対象から外れている。
このため金融監督院は、電算システムを整備し、償還停止ファンドを移管可能な商品に含める案を進める。また、移管意思の確認に伴う録音義務に代わる非対面の確認方式や、移管申請が取り消しまたは拒否された場合に加入者へ理由を具体的に案内する方策も検討する。
TFには、預託決済院、金融業界協会、Korea Securities Finance、主要な退職年金事業者など17機関が参加する。9月までに改善の方向性を固め、10月から電算開発に着手する予定だ。TFは2027年まで運営する。