2026年のロボット犬市場は、教育・ペット向けから産業向けまで用途別の棲み分けが鮮明になっている。価格帯も319ドルから10万ドルまで幅広く、単純に価格や外観だけでは比較しにくい市場になってきた。
ブロックチェーン系メディアのCryptopolitanは21日(現地時間)、ロボット犬をペット型、開発型、産業型の3カテゴリーに分け、主要製品の実売価格や開発環境、保守条件を比較した。
比較の軸となるのは見た目ではなく用途だ。一般消費者は導入のしやすさや対話性を重視する一方、開発者や研究チームはコーディング環境やセンサー拡張性を重視する。産業用途では、積載能力や自律走行、長時間運用が選定のポイントになる。
価格帯が最も低いのは、ペット・教育向けの製品群だ。Petoiの「Bittle X」は319ドルからで、ブロックコーディング、Python、C++、ROSに対応する。連続稼働時間は約1時間で、走行を続けた場合は30分未満に縮む可能性がある。
同価格帯では、Keyi Techの「Loona」も499ドルの割引価格で販売された。四足歩行ではなく車輪で移動する方式で、カメラ、マイク、タッチセンサー、2.4インチLCDを搭載する。GPT-4oベースの音声対話に対応し、開発用途よりも家庭向けペットロボットとしての性格が強い。
Sonyの「aibo ERS-1000」は3199.99ドル(約48万円)で、価格帯は一段上がる。記憶・学習機能に加え、「My aibo」などのクラウドサービスと連携する点が特徴だ。Sonyは6月に日本での販売終了を発表したが、米国では販売を継続しており、既存ユーザー向けに部品供給、修理、クラウド支援も提供するとしている。
開発向けの製品では、価格以上にソフトウェアへのアクセス性が重視される。Unitreeの「Go2 Air」は1600ドルから、「Go2 Pro」は2800ドル、「Go2 X」は4500ドルから。ただし、フルSDK2とPython、ROS2ベースの開発環境はEDU版に限って提供される。
DeepRoboticsの「Lite3」はベースモデルが2890ドルで、LiDAR版は1万8270ドルまで上がる。C++、Python、ROS1、ROS2ベースのSDKとAPIをサポートし、研究開発用途に適した構成となっている。
産業向けになると価格帯は一気に上がる。Unitreeの「Aliengo」は5万ドル規模で、「B2」「B2-W」「A2」はいずれも10万ドルを基準価格として提示された。B2は歩行時に40kg超えの積載に対応し、B2-Wは車輪と脚を組み合わせた長距離移動を打ち出す。A2はデュアルのホットスワップ対応バッテリーを採用し、長時間運用を重視した。
Boston Dynamicsの「Spot」は価格を公開しておらず、法人向けに個別見積もりで販売している。導入費用は搭載機器やソフトウェア、支援体制によって変動する。反復点検や自律的な任務遂行を前提に設計されており、修理インフラ、教育、保証を含む支援体制も整えている。
製品選びでは、価格以外の要素も重要になる。ロボット犬はバッテリーの劣化によって実際の稼働時間が短くなりやすく、関節や駆動部の摩耗も避けられない。メーカーごとの保証期間にも差がある。Lite3の関節保証は一部バージョンで3〜6カ月程度、Go2 Airは6カ月、Go2 Pro、Go2 X、EDUは12カ月としている。
修理体制も製品ごとに異なる。Petoiは交換部品と修理ガイドを提供している一方、Unitreeは自社でアフターサポートを担う。ただし、国際配送や通関、修理時の物流負担が課題になる可能性がある。
また、一部製品では主要機能がオンラインサービスやサブスクリプション型クラウドに依存しており、メーカーによる長期サポートの有無が実際の利用期間を左右する可能性がある。
ロボット犬を選ぶ際にまず確認すべきなのは、価格ではなく用途だ。コーディング入門ならBittle X、ペット用途ならLoonaとaibo、研究開発ならGo2シリーズやLite3、産業用途ならAliengo、B2、A2、Spotが候補になる。