Rippleのブラッド・ガーリングハウス最高経営責任者(CEO)は23日、米国の暗号資産規制を巡り、明確化がこれまでになく現実味を帯びてきたとの見方を示した。米商品先物取引委員会(CFTC)が諮問委員会を立ち上げるなど、ワシントンでは既存の金融規制を当てはめる従来型の対応から、暗号資産の特性を踏まえた制度整備へと軸足が移りつつあると強調した。
ブロックチェーンメディアのU.Todayによると、ガーリングハウス氏は最近のSNS投稿で、ワシントンの暗号資産に対する向き合い方がこの10年で大きく変わったと指摘した。
発言のきっかけとなったのは、20日にワシントンで開かれたCFTCの「革新諮問委員会」の初会合だ。同委員会はマイケル・セリックCFTCの委員長の下で設置され、暗号資産業界と伝統金融の経営陣が参加し、技術、法務、政策面の論点について助言する枠組みとなる。
ガーリングハウス氏は、会合の参加者の間では、従来のルールでは不十分だとの認識で一致していたと説明した。消費者保護、企業活動、イノベーションのいずれの面でも、過去の規則をそのまま適用するだけでは対応しきれないとの見方を示し、米国の規制が暗号資産に即した基準整備へ向かっていると訴えた。
Rippleはこれまでも一貫して規制の明確化を求めてきた。ガーリングハウス氏は、同社が2019年7月に米議会へ公開書簡を送ったことに触れ、共同創業者のクリス・ラーセン氏とともに、デジタル資産は固有の特性に基づいて規制されるべきだと主張してきたと説明した。明確なルールが欠ければ、イノベーションや雇用創出に悪影響を及ぼしかねないという立場だ。
こうした主張に沿う動きは、米規制当局側にも広がっている。SECとCFTCは3月、複数の暗号資産に対して連邦証券法と商品法をどう適用するかを共同で明確化し、SECはトークンの分類体系も整備した。CFTCも別途、革新諮問委員会を始動させた。ガーリングハウス氏は同委員会に、Coinbase、Uniswap Labs、BitGo、Nasdaq、CME Group、Cboeの経営陣らとともに参加している。
同氏はまた、暗号資産業界が規制そのものに反対してきたとの見方を否定した。SALTのイベントでは、業界は「反規制」ではなく、市場も無法地帯ではないと強調。Rippleが世界で75のライセンスを保有していることを挙げ、業界はむしろ明確な規制の枠組みを積極的に求めてきたと訴えた。
さらに、SECとの長期にわたる法廷闘争にも言及した。RippleはSECを相手に4年間争う異例の状況に置かれたとしたうえで、連邦裁判所の判事が判決文で「XRPそれ自体は証券ではない」と明記した点を挙げ、XRPを巡る法的整理は一定程度進んだとの認識を示した。
今回の発言は、米国の暗号資産規制が取り締まり中心の対応から、制度設計と基準整備を重視する方向へ移りつつあるとの業界の期待を改めて映したものといえる。暗号資産企業と伝統金融機関がCFTCの諮問機関に同席し、SECとCFTCが資産ごとの法適用の考え方を整理し始めたことは、今後の制度設計に業界の意見が反映される余地が広がっていることを示している。
Rippleは自社の事例を通じて、規制の不透明さが事業運営や業界全体に与える負担を訴えてきた。今後は、米規制当局がトークン分類や所管の基準をどこまで具体化するのかに加え、XRPを巡る法的判断が他の暗号資産プロジェクトにも波及するのかが焦点となる。
ガーリングハウス氏はSNSで、「今週のワシントンは“8月の閑散”とは無縁だった。CFTC革新諮問委員会の初会合に参加できて素晴らしかった」と投稿。さらに、Nasdaq、CME Group、Cboeといった伝統金融の参加者が目立った点にも触れ、暗号資産業界と既存金融業界の距離が縮まりつつあるとの見方を示した。