写真=Shutterstock。米SNSで離婚体験を発信し、収益化する「離婚インフルエンサー」が増えている。

米国で、自身の離婚体験をSNSで発信し、書籍出版や広告、商品販売へとつなげる「離婚インフルエンサー」が広がっている。かつて失敗や恥とみなされがちだった離婚を、独立や再出発の物語として語り、収益化する動きだ。

Business Insiderが8月22日(現地時間)に報じたところによると、ガブリエル・ストーンは2017年、離婚後の自身の経験をオンラインで発信し始めた。当時約1万人だったInstagramのフォロワーは現在11万2000人超に増え、TikTokでは130万人のフォロワーを抱える。

ストーンは2019年に回顧録「Eat, Pray, #FML」を出版。ポッドキャストの配信やファン向け旅行企画の運営にも乗り出し、個人的な体験を事業へと広げてきた。

離婚を巡るオンライン文化も変化している。TikTokでは、離婚の前後で変わった生活や外見を見せる「divorce glow-up」系の投稿が広がっている。

ファッションブランドのReformationは「Divorce Collection」キャンペーンを展開した。離婚を隠すべき出来事ではなく、新たな出発として公に語る流れが、大衆文化や消費市場にも波及している。

こうした発信は、実際の収入にも結び付いている。ライフスタイル系クリエイターのコラ・レイキーが昨年1月に公開した離婚報告動画は、130万回超の再生を記録した。

その後はデートや引っ越し、孤独といったテーマをコンテンツ化し、デートアプリや引っ越し事業者、ビューティーブランドの広告案件を獲得した。離婚直前に仕事を辞めたレイキーは、「SNS収入で家賃を払い、飼い犬の世話ができるようになった」と話した。

スカーレット・ロングストリートも、9年間の専業主婦生活を経て、離婚を機にコンテンツクリエイターへ転身した。専業化して2年目には、ブランド契約だけで年10万ドルの収入を得たと明らかにしている。

オーストラリアで活動するメーガン・マクタビッシュも、約8万人のフォロワーを基盤に、ジャーナル販売やビューティーブランドの広告を収入源としている。

一方で、離婚を「かっこいい変化」として演出し、関係の終わりを過度に軽く扱っているとの批判もある。マクタビッシュは「誰もが配偶者のもとを去るべきだと主張しているわけではない」としたうえで、「一人になることへの恐怖から、望まない関係を続けてほしくないという趣旨だ」と説明した。

離婚後には経済的リスクが高まりやすいという現実もある。2023年に公表された米国の研究では、離婚・別居後、すべての人種集団で女性の経済状況が男性より悪化しやすい傾向が確認された。

Pew Research Centerによると、2023年に米国で離婚した人は180万人超に上った。結婚経験のある米国人の約3分の1は、最初の結婚が離婚で終わったと回答したという。

離婚コンテンツの広がりは、単なる別れの可視化にとどまらない。離婚後の経済的自立やアイデンティティーの再構築まで収益化の対象とする、クリエイターエコノミーの一断面を映し出している。

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