プライバシーコインのZcash(ZEC)が急騰している。23日(現地時間)には、現物ETFの上場期待を背景に8年ぶりに814ドルを上回った。Grayscaleが米証券取引委員会(SEC)に最終書類を提出したことで、市場では米伝統金融市場への資金流入余地に注目が集まっている。
ブロックチェーンメディアのU.Todayによると、Zcashは6月、Orchardプールの脆弱性の影響で250ドルまで下落したが、その後は下落分をほぼ取り戻した。時価総額は137億4000万ドルに拡大している。
今回の上昇を支えているのは、米市場での上場を控える初のZEC現物ETFだ。資産運用会社GrayscaleはSECに最終書類を提出済みで、ティッカーシンボル「ZCSH」の同ファンドは25日にNYSE Arcaで取引を開始する予定という。
同ファンドの組み入れ上限は39万3000ZEC。資産規模は2億6000万ドル超となる見通しで、カストディアンはCoinbaseが務める。
急騰を受け、市場ではZcashがXRPの時価総額にどこまで迫れるかが新たな焦点となっている。Zcashはプライバシー機能を前面に打ち出した暗号資産で、一方のXRPはビットコイン、イーサリアム、ステーブルコインに続く主要資産としての地位を維持してきた。
両資産が米国の伝統金融市場で、ETFという同じ枠組みの中で比較され始めていることも、こうした見方を後押ししている。
業界内では今回の値動きを、プライバシー関連銘柄の再評価と受け止める向きもある。インフラ企業Heliusの最高経営責任者(CEO)、メルト・ムムタズ氏は、従来から掲げてきた「資金を暗号化せよ」との主張を改めて持ち出した。
同氏は、Zcashが時価総額トップ3の地位を取り戻すまで、プライバシーコインのためのロビー活動を続ける考えも示した。
足元のXRPの時価総額は934億5000万ドル、トークン価格は1.51ドル。これに対し、Zcashの時価総額は137億4000万ドルにとどまる。
仮にZcashの時価総額がXRPと同水準まで拡大した場合、1ZECの価格は5537.93ドルとなる計算だ。現在水準から約680%高い。
もっとも、ZcashがXRPの時価総額を上回るとの見方は、現時点では長期的な試算の域を出ない。NYSE Arca上場によって伝統的な株式市場からのアクセスは広がる見通しで、耐量子性を意識したネットワーク更新の準備も進んでいるが、実際の機関投資家需要の強さは、上場直後のZCSHの売買高に左右される可能性が高い。
市場の焦点は、ETF上場後に実際の資金がどの程度流入するかにある。ZcashがXRPの時価総額を上回れるかを論じる前に、まずはZCSH上場初期の取引量と資金フローを見極める必要がある。