画像=Ripple公式サイトのRLUSD紹介ページ

Rippleのステーブルコイン「RLUSD」の運用に影響を与える可能性があるXRP Ledger(XRPL)の新機能「権限委任(Permission Delegation)」が、バリデーターによる投票段階に入った。発行や凍結、回収といった権限を組織ごとに分担できるようにする仕組みで、RLUSDを含む規制対応型トークンの運用体制をプロトコルレベルで支える機能として注目されている。

ブロックチェーンメディアのU.Todayが22日(現地時間)に報じたところによると、Rippleのステーブルコイン製品責任者、ローレン・バータ氏は、この機能がRLUSDを含む規制対応型トークンの運用に重要な変化をもたらす可能性があると説明した。

この機能は、今月初めに公開されたXRPLのリファレンスサーバー実装「xrpld 3.3.0」に含まれるXLS-75として提案されている。正式名称は「PermissionDelegationV1_1: Granular account Permission Delegation」で、発行体が特定のアカウントに対し、権限を細かく分けて委任できるようにするものだ。

現行のXRPLでは、トークンの発行アカウントが、発行、凍結、回収、トラストライン承認といった主要機能を一元的に管理する。一方、規制対応が求められるトークン発行者では、こうした業務をコンプライアンス、運用、セキュリティなど複数の組織やチームに分担させるケースが多い。

バータ氏によると、権限委任が導入されれば、コンプライアンス部門には凍結・回収権限、運用部門には発行・焼却権限、KYC(本人確認)サービス事業者にはトラストライン承認権限をそれぞれ付与できる。各組織は個別の鍵で必要な機能だけを実行でき、発行アカウント自体のセキュリティも維持しやすくなるという。

同氏は、こうした構造が他チェーンでステーブルコイン発行者が採用してきた運用モデルに近いと指摘した。機能が有効化されれば、RLUSDについてもXRPL上で同様の体制をプロトコルレベルで支援できるようになるとの見方を示した。

その一方で、権限委任はマルチシグとは別の仕組みだと強調した。マルチシグは複数の参加者が単一の取引を共同で承認する方式だが、権限委任は、特定アカウントが別のアカウントに代わって、あらかじめ定められた機能を実行できるようにするものだ。

バータ氏は、マルチシグが承認権限を分ける仕組みだとすれば、権限委任は責任を分担する仕組みだと説明した。解決しようとする課題が異なるうえ、権限を委任しても発行体がアカウントの統制権を手放すわけではないという。

この仕組みは、ステーブルコイン発行体にとどまらず、RWA(実物資産)トークン化事業者や、規制対応型の金融商品をオンチェーン化しようとする資産運用会社にも有効とされる。資産移転、規制順守の執行、セキュリティ管理を別々のチームが担うといった、機関向けの運用ニーズに対応しやすくなるためだ。

Rippleは、改定案がまだバリデーター投票の段階にある一方で、RLUSDチームが機能の有効化を見据え、開発者ネットワーク上で並行して開発とテストを進めていると説明した。実運用を前提にした準備がすでに進んでいる格好だ。

RLUSDの流通規模も拡大している。総流通量は足元で20億ドル(約3000億円)を超えた。権限委任が有効化されれば、RLUSDはXRPL上でより細分化された機関向け運用体制を構築しやすくなり、他の規制対応型トークンの運用設計にも波及する可能性がある。

バータ氏は、Permission Delegationが現在XRPLでバリデーター投票にかけられており、XRPL上で規制対象資産を発行する機関にとって重要な機能になり得ると説明している。RLUSDを含む規制対応型トークン全体にとって、その意義は小さくない。

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