米ネバダ州で、Teslaのロボタクシー運用に関する承認枠が大幅に広がった。州は最大5000台の配備を認めたが、Teslaは当面、数千台規模の本格投入には踏み切らない姿勢を示しており、承認拡大が直ちにサービス拡大につながる状況ではない。
電気自動車メディアのCleanTechnicaが8月22日(現地時間)に報じたところによると、ネバダ州はTeslaに対し、州内で最大5000台のロボタクシーを配備できるよう承認範囲を拡大した。
これまではラスベガス・ストリップで10台のみの運行に限られていた。今回の承認により制度上の上限は大きく引き上げられ、事業拡大に向けた枠組み自体は整った格好だ。
一方で、実際の投入ペースはこれに追いつかない見通しだ。報道によれば、Tesla関係者は会合で、直ちに5000台を公道に投入する計画はないと説明したという。今回の承認はあくまで運用上限を広げるものであり、即座の大規模配備を意味するものではない。
背景には、Teslaの車両戦略の変化もあるとみられる。TeslaはModel Yベースのロボタクシーを急拡大するよりも、専用車「Cybercab」を軸に展開を進める方針を重視している。
Cybercabの量産拡大に一定の見通しを持っていることから、Model Yを先行して大量投入するのではなく、専用車の準備が整ってから本格的にサービスを広げる考えとみられる。
ただ、この方針がサービス拡大の遅れにつながっているとの見方もある。イーロン・マスクCEOは昨年半ば、2025年末までにTeslaのロボタクシーが米国人口の半分をカバーするとの見通しを示していた。
しかし、現在はすでに2026年後半に入っている。CleanTechnicaは、Teslaのロボタクシーのサービス提供範囲が、なお米国人口の10%にも達していないと指摘した。
Teslaは最近、Cybercabについて一部顧客に乗車機会を提供し始めた。限定顧客向けのイベントも実施するなど、専用ロボタクシーの商用化に向けた初期の動きも見せている。
もっとも、これを大規模サービスへの移行とみるのは時期尚早だ。現時点では、対象を絞った試験的な取り組みの色彩が強い。
今回のネバダ州の承認拡大で浮き彫りになったのは、制度上の許容規模と実際の運用規模の差だ。最大5000台まで運行できる基盤は整ったものの、Teslaが実際にいつ、何台を投入するかは別の問題として残っている。
今後の焦点は、Cybercabの生産をどこまで速やかに拡大できるかにある。あわせて、マスク氏がこれまで示してきた普及目標をどこまで現実のものにできるかも問われそうだ。