OpenAIの対話AI「ChatGPT」で、特定の会話をPINや指紋認証で保護する機能が追加される可能性が浮上した。Android版アプリの未使用コードから、会話ごとのロック機能を示す記述が見つかった。
米ITメディアのTechRadarは8月23日(現地時間)、ChatGPTのAndroid版アプリの最新バージョン内で、「ロックされた会話」や「会話の保護」に関する文言を確認したと報じた。
見つかったコードは現時点で有効化されておらず、実際に動作する段階にはない。ただ、機能の方向性は比較的はっきりしている。コードには、会話のタイトルや内容をサイドバー、履歴、検索結果から見えないようにするには会話をロックする必要がある、という趣旨の記述が含まれていた。特定の会話を個別に隠し、追加認証を経て閲覧する設計が想定されているとみられる。
実装されれば、端末自体のロックとは別に、ChatGPT内でさらに保護をかけられることになる。スマートフォンやPCがPIN、指紋、顔認証などで守られていても、特定の会話だけに追加のセキュリティを設定できる点が特徴だ。個人の医療相談や家族へのサプライズの相談、上司に提出する退職届の下書きなど、他人に見られたくないやり取りを想定している可能性がある。
ChatGPTには現在、「一時チャット」機能がある。個人的あるいは機微な内容を扱う際の選択肢で、ウィンドウを閉じると会話は保存されず、アカウント上にも残らない。一方、今回のロック機能は一時チャットとは異なり、会話を保持したままアクセスを制限する仕組みになる可能性が高い。
もっとも、詳細な仕様はまだ分かっていない。とりわけ、ChatGPTのメモリ機能とどう連携するのかは不明だ。メモリが有効な場合、ロックした会話の内容が他のロックした会話でのみ参照されるのか、それとも通常の会話にも反映されるのかは確認されていない。こうした点は、実際の使い勝手や安心感を左右する要素になりそうだ。
OpenAIがこの機能をいつ公開するかも明らかになっていない。アプリ内コードに痕跡があっても、必ずしも正式提供に至るとは限らず、方針変更で見送られる可能性もある。
それでも、ChatGPTが単なる質疑応答ツールにとどまらず、個人の業務や私的な相談まで幅広く使われている現状を踏まえれば、会話単位のセキュリティ機能は今後の競争力に直結し得る。今回の発見は、OpenAIがアカウント全体の保護に加え、会話ごとのアクセス制御も視野に入れていることをうかがわせる。今後は、実装の有無に加え、メモリ機能や履歴管理、検索での表示範囲をどう整理するかが焦点となりそうだ。