ビットコインが6万ドル近辺の安値圏から大きく切り返し、8万ドル目前まで上昇した。これを受け、市場ではベテラントレーダーのピター・ブラント氏が示していた5万8000〜6万2000ドルの下値予想を改めて検証する動きが出ている。
23日、ブロックチェーンメディアのU.Todayによると、ビットコインは足元で急反発し、ブラント氏が今年1月に示した下落目標レンジを上回る水準で推移した。
ブラント氏は当時、ビットコインが5万8000〜6万2000ドルまで下落する可能性があると指摘していた。一方で、その見通しが外れる可能性にも言及していた。
実際、市場は一時、同氏のシナリオに沿う形で推移した。ビットコインは7月1日に5万7717ドルまで下落し、その後も数カ月にわたり5万8000〜6万2000ドル台でもみ合ったが、直近では流れが変わった。
先週のビットコインは大きく反発した。米国債利回りの急上昇や、財政健全化を巡る新たな政策構想を市場が織り込むなかで、相場の変動率が高まり、ビットコインも急ピッチで上昇した。
とりわけ22日には大規模なショートスクイーズが発生し、売り持ちの買い戻しが進んだことで、価格は8万ドル近辺まで上昇した。
直近5取引日でも上げ足は速かった。ビットコインは17日に6万2679ドルで下げ止まった後、21日には7万9500ドルまで上昇し、その後はやや押し戻された。
記事作成時点では、ビットコインは24時間で0.84%安の7万6569ドル。週間では21.56%上昇した。ビットコインが最後に8万ドル台で取引されたのは5月だった。
もっとも、今回の反発については、追随買いよりショートカバーの寄与が大きいとの見方もある。新規の強気資金が大量に流入したというより、下落を見込んでいた投資家の買い戻しが相場を押し上げた格好だ。
そのため、足元の急騰が中長期のトレンド転換につながるかどうかは、なお慎重に見極める必要がある。
ブラント氏は弱気見通しの根拠についても説明している。同氏は先週、X(旧ツイッター)への投稿で、ビットコインの逆ヘッド・アンド・ショルダー(逆三尊)について、右肩の形成が長引けば下放れで終わる確率は6対4で高く、当時のトレンドも下向きだったとの見方を示した。
その後は、底入れパターンの完成を踏まえて見方を一部修正した。同氏は「好むと好まざるとにかかわらず、ブレイクアウト局面で買った」と投稿している。
足元の値動きを巡っては、テクニカル指標にも改めて言及した。ブラント氏は、2021年のビットコインの底値局面で用いた「価格の壁」を再び取り上げ、「われわれは再びその地点にいる」と述べた。
過去の底値圏で機能したテクニカル上の節目が、今回も相場判断の基準として意識されていることを示す発言といえる。
ブラント氏の予想が完全に外れたと断定するのは難しい。実際、ビットコインはしばらく同氏が示した5万8000〜6万2000ドルのレンジで推移し、7月初旬にはそれを下回る場面もあった。
ただ、足元の急反発によって市場の重心は再び上方向に移った。ショートカバー一巡後も8万ドル近辺を維持できるか、また同氏が新たに示したテクニカル上の底入れシグナルが持続的な上昇につながるかが、次の焦点となる。