Bitcoinが7万7000ドルを上回り、上昇基調を強めている。Bitcoin現物ETFへの資金流入が続くなか、米国の制度整備に対する期待や大規模なショートカバーも重なり、相場を押し上げた。
21日付のDecryptによると、機関投資家の買いが再び入り始めたことに加え、下落を見込んでいた投資家のポジション解消が重なり、Bitcoinの上げ幅が拡大した。
現物需要の強さは、Bitcoin現物ETFの資金フローにも表れている。19日は約5億1700万ドル、20日は約6億600万ドルがそれぞれ純流入した。今月初めにも5営業日連続で、合計8億5350万ドルが流入している。
マクロ環境も相場を下支えした。Bitgetのアナリスト、レイシー・チャン氏は、米財務省による長期国債の買い戻し拡大計画がドル安観測を強め、Bitcoinや金といった価値保全資産への需要を呼び戻したとみている。
CoinSharesのアナリスト、フリオ・モレノ氏も、米財務省の発表に加え、ドナルド・トランプ米大統領が政府によるBitcoin購入の可能性に触れたことを上昇の材料に挙げた。一方で、現物需要はこうした発表に先立って、数日前から持ち直しの兆しを見せていたとも指摘した。
ワシントンの政策スタンスも市場心理に影響を与えた。トランプ氏は先週、ホワイトハウスで開かれた暗号資産・金融業界関係者との会合で、議会に対しクラリティ法の「公正なバージョン」の可決を促した。同法案は、デジタル資産に関する連邦レベルの規制枠組みを整備し、商品先物取引委員会(CFTC)と証券取引委員会(SEC)の所管を切り分ける内容となっている。
もっとも、Bitcoinそのものへの直接的な影響は限られるとの見方もある。モレノ氏は、Bitcoinについては米国ですでに比較的明確な規制の枠組みが整っており、コモディティとして広く扱われ、ETFや機関投資家向けの投資ルートも確立されていると説明した。クラリティ法は他の暗号資産では投資環境を大きく変え得る一方、Bitcoinに急激な変化をもたらす性格のものではないという。
市場では、規制リスクプレミアムの低下を織り込む動きも広がっている。レイシー・チャン氏は、トランプ氏がクラリティ法案の可決をあらためて促したことで、規制リスクプレミアムが一段と切り下がるとの見方が強まったと説明した。ルールが明確になるほど、機関投資家がポジションを取りやすくなることも、需要拡大期待を高める要因だとしている。
この局面で、下落を見込んでいた投資家は大きな損失を被った。レイシー・チャン氏は、過去2〜3日で暗号資産市場のショートポジションが40億ドル超清算されたと推計する。このうち、約24時間で27億ドル、翌日に追加で12億ドルが解消された。Bitcoinのショートポジションだけでも、急騰局面の初期に約27億5000万ドルが清算され、暗号資産市場では最近でも最大級のショートカバーの一つになったという。
今後の焦点は、立法の進展と現物需要の持続性だ。クラリティ法は現在、議会で膠着状態にあり、上院は9月に再び同法案を取り上げる見通しだ。CFTC委員のマイケル・セリック氏は20日、委員会の既存権限の範囲内で暗号資産の市場構造に関する規定を検討するよう実務陣に指示したと明らかにした。Bitcoin相場が政策期待だけで上昇を維持できるのか、それとも実際の資金流入が継続して支えるのかが次の注目点となる。