英国のZ世代社員が、社内で日常的に使われるビジネス用語を十分に理解できず、職場コミュニケーションで疎外感を抱えている実態が明らかになった。
TechRadarが7月22日(現地時間)に報じたところによると、英Career Mindsの調査では、Z世代社員が理解していた頻出ビジネス用語は24語中平均5.3語にとどまった。
この傾向はZ世代に限らない。全世代の回答者でも、理解できた用語は平均7語にとどまった。さらに48.8%が「理解しているのは5語以下」と答えており、職場で共有される言葉の前提が世代を問わず揺らいでいることを示した。
背景には、働き方の変化がある。AIが事務作業の一部を自動化し、パンデミック後に広がったハイブリッド勤務が同僚同士の接点や会話のあり方を変えたためだ。Career Mindsは、こうした環境の下で、若手社員が対面・オンラインの両方で従来のオフィス中心の職場文化になじみにくくなっているとみている。
報告書はあわせて、リモートワークの影響で社会性や言語コミュニケーション能力が弱まっているとする2024年の外部調査も引用した。これにより、新入社員や若手社員が社内で通用する略語や古いビジネス用語を十分に身に付けられず、意思疎通で不利になりやすいとしている。
問題は単なる理解度の低さにとどまらない。組織内で日常的に使われる表現は、業務を効率化する便利な略語として機能する一方で、まだその言葉に慣れていない社員にとっては、会話に入りにくくする障壁にもなり得る。
Career Mindsのキャリア専門家、アマンダ・オーガスティン氏は、管理職に求められる対応は明確だと指摘した。同氏は「明確に伝えることはリーダーシップの一つだ」とし、経営陣や管理職は不慣れな用語を誇示するように使うのではなく、すべての社員が会話に参加できるよう伝え方を調整すべきだと述べた。
オーガスティン氏はさらに、「ビジネス用語は略語として有効な場合もあるが、今回の結果は、その言葉をまだ学んでいない人をいかに簡単に排除してしまうかを示している」と語った。社内コミュニケーションを速めるための表現が、かえって組織への適応や協業を遅らせる可能性があるという指摘だ。
こうした状況を踏まえると、企業には社内コミュニケーションのあり方を見直す必要がある。対面での接触が減り、デジタル上の協業が増えた環境では、効率性だけでなく、誰にでも伝わる分かりやすさを重視した伝達基準が重要になるためだ。世代間の言語ギャップを放置すれば、若手社員の参加度や成長機会にも影響しかねない。
今回の調査は、職場コミュニケーションの変化が世代間の適応格差につながる可能性を示した。AI活用とハイブリッド勤務が常態化するなか、短く明確で分かりやすい伝達そのものが、組織運営の重要課題になりつつある。