韓国政府は9月1日、2027年度の研究開発(R&D)予算案を39兆5000億ウォンに編成した。前年比11.2%増で、AIや半導体、量子、宇宙・航空など戦略技術分野への投資を拡大する。新規R&D事業には過去最大となる3兆3000億ウォンを盛り込んだ。
同日開かれた国務会議では、こうした内容を盛り込んだ2027年度予算案を議決した。科学技術情報通信部の科学技術革新本部が配分・調整する主要R&D予算は33兆8000億ウォンで、前年比11.5%(3兆5000億ウォン)増。政府全体のR&D予算の増加額は4兆ウォンとなる。
科学技術情報通信部によると、政府R&D予算の伸び率は今年の19.9%に続き、来年度も2桁増となる見通しだ。過去20年間の年平均増加率7.2%も大きく上回る水準という。パク・インギュ科学技術革新本部長は「国民主権政府の強いR&D投資拡大の意思を反映した結果だ」と述べた。
政府はまず、新規R&D事業に3兆3000億ウォンを投じる。大型事業の迅速な着手を後押しするため、総事業費1000億ウォン以上のR&D事業については、従来の予備妥当性調査に比べて検討期間を約2年から3カ月に短縮し、必要な技術への投資を急ぐ方針だ。科学技術情報通信部はこれに先立ち大型事業38件を検討し、このうち23件を来年度予算に反映した。
イ・ジェフン科学技術情報通信部研究開発投資審議局長は、審査期間の短縮について「3カ月間にわたり、諮問会議の専門委員と民間専門委員が38件の事業企画について、完成度や投資効率性などを点検した」と説明。「多層的な検討を経て、23件を新規事業として反映することにした」と述べた。
あわせて、事業評価の結果を予算に反映し、既存事業の再編による支出構造の見直しも進めた。単なる歳出削減ではなく、事業構造の見直しを通じて投資効果を高めることに軸足を置いた。こうして確保した財源は、全額をR&D分野に再投資したとしている。
AIや半導体を含む「10大NEXT戦略技術」への投資は、今年の11兆ウォンから来年度は13兆8000億ウォンへ拡大する。対象はAIのほか、次世代セキュリティ・ネットワーク、半導体・ディスプレイ、先端ロボット・モビリティ、次世代電池、未来エネルギー・原子力、革新・未来素材、先端バイオ、宇宙・航空・海洋、量子で構成される。
このうち、半導体、フィジカルAI、AIデータセンター(AIDC)を柱とする「3大メガプロジェクト」には5兆8000億ウォンを配分する。小型モジュール炉(SMR)、再生可能エネルギー、核融合、量子、宇宙・航空、先端バイオ、先端サプライチェーンなどを対象とする「7大SEED」には3兆7000億ウォンを重点投入する。
民間と地域を対象としたR&D支援も強化する。政府は、投資後の成果を回収して再投資する「投資型R&D」を導入するほか、地域が主体となって事業を設計する「自律型R&D」や、国防・防衛産業分野のR&D投資も拡大する方針だ。民間と地域のイノベーション創出力を高め、経済活性化につなげる狙いがある。
研究者と次世代人材への支援も拡充する。若年層を含む科学技術人材の育成を広げ、基礎研究課題数を増やすほか、政府出資研究機関の安定的な人件費を支援し、研究者が研究に専念できる環境を整える。災害や安全など、生活の質に直結するR&D投資も積み増す。研究者の処遇改善については、財政当局と協議しながら段階的に進めるとした。
R&D予算の配分過程では、関係省庁と民間専門家が共同で参加する「ワンチーム」体制も強化した。大型R&D事業計画書は民間専門家を中心に審査し、新規事業コンサルティングや専門委員会による事業説明会も実施。企画段階から補完を進め、主要R&D予算の配分・調整から政府予算案の編成まで、省庁間の協業を広げた。
パク本部長は「2027年は、今後4年以内に成果を生み出すためのゴールデンタイムだ」とした上で、「政府予算案が確定するまで、来年度R&Dの詳細な企画と補完を着実に支援し、執行と管理も綿密に点検していく」と述べた。