Upstageは7月23日、エージェント業務向けに最適化したオープンウェイトの大規模言語モデル(LLM)「Solar Open 2」を公開した。モデルの重みはオープンソースプラットフォーム「Hugging Face」で配布する。
Solar Open 2は、政府主導のAI基盤モデルプロジェクトを通じてUpstageが自社開発したモデル。前世代の「Solar Open」をベースに、推論とツール呼び出しを繰り返しながら一連の業務を完結するエージェント用途に合わせて設計した。
総パラメータ数は2500億(250B)。Mixture of Experts(MoE)構造を採用し、推論時に有効化されるパラメータは150億(15B)に絞られる。最大100万トークンを処理でき、量子化によって軽量化すれば、NVIDIA H200を2基搭載した構成でも自社インフラに展開できるとしている。
Upstageによると、総合知識(MMLU-Pro)、コーディング(LiveCodeBench)、指示追従(IFBench)、ツール呼び出し(MCP-Atlas)、エージェント総合評価(APEX-Agents)などのベンチマークで、DeepSeekの「V4 Flash」、Mistralの「Medium 3.5」、Cohereの「Command A+」を上回った。前モデルと比べても、知識・科学推論(GPQA-Diamond)、数学(HMMT)、コーディングなど主要ベンチマークで20ポイント以上改善したとしている。
韓国語ベンチマークの総合平均でも、OpenAIの「GPT-5.4 mini」やAnthropicの「Claude Haiku 4.5」を上回るスコアを記録したという。実務評価ベンチマーク「Ko-GDPval」では86.75点となり、パラメータ規模が6倍超のDeepSeek「V4 Pro」と同水準だったとしている。
Solar Open 2は「Upstage Solar License(Apache 2.0ベース)」で提供し、商用利用や派生モデルの開発を認める。アーキテクチャ、学習方法論、評価条件をまとめたテックレポートも同時に公開した。
Upstageは今後、ポータル「Daum」にSolar Open 2を適用し、対話型エージェントサービスを拡充する。AIエージェントプラットフォーム「Timely」を通じて、自治体や公共機関、教育機関での導入支援も進める。
同社はコンソーシアムとの連携を通じ、金融、法律、医療、公共、国防、製造、消費財、ロボット、教育など幅広い分野で、Solar Open 2を基盤とするAXサービスの展開を拡大する方針だ。あわせて、NPUを組み合わせ、インフラからモデル、サービスまでを一体化した「フルスタック・ソブリンAI」の構築を目指す。グローバルプラットフォーム「OpenRouter」と「Hermes Agent」への登録も予定している。
Upstageのキム・ソンフン代表は「Solar Open 2は、単なるベンチマークスコアではなく、実際の業務現場で自律的にタスクを完遂できるエージェントの実用性を重視して開発した」とコメントした。その上で「オープンウェイトとして公開することでAI研究のエコシステムを高度化し、これを基盤に産業AXを広げ、ソブリンAIの主導権確保につなげたい」と述べた。