Mistral AIがMicrosoftと数十億ドル規模の契約を結び、欧州向けのコンピューティングインフラを拡充する。Azureの顧客は近く、フランスにあるMistral AIのデータセンターを利用できるようになる。SiliconANGLEが22日(現地時間)に報じた。
今回の契約により、Microsoftは欧州のAI顧客向けに追加のデータセンター容量を確保する。規制対応が重視される業界では、米企業のモデルやコンピューティング基盤に代わる選択肢が広がることになる。
あわせて、Mistral AIの主要モデル2種がAzure AI Foundryのモデルカタログに追加された。対象は「Mistral Medium 3.5」と「OCR 4」。
Mistral Medium 3.5はオープンウェートモデルで、Azureのマネージド環境上で調整・展開できる。
OCR 4は、構造化文書の処理や自動化、企業文書からのデータ抽出を担うエージェント型ワークフロー向けに設計されたモデルだ。
企業はAzure AI FoundryとAzure Localを通じて同一のAIアプリケーションを開発し、各地域のデータ規制や運用要件、接続要件に応じて複数の環境へ展開できる。
例えば欧州の製造業では、知的財産を保護しながら生産設備や品質データを域内で分析できる。医療機関でも、個人情報保護やデータ保存場所に関する規制を順守しつつ、AIワークフローの導入が可能になる。
今回の協業は、欧州で進むAI主権強化の流れとも重なる。米国が安全保障上の懸念を理由に、一部の欧州同盟国によるAnthropicやOpenAIの主要モデルへのアクセスを制限した後、欧州では米国技術への依存を減らす動きが再び強まっている。