Tesla(写真=Shutterstock)

Teslaの2026年4〜6月期決算では、過去最高となった納車台数よりも、自動車部門の収益性を維持できたかが焦点になりそうだ。値下げや金融支援で販売を押し上げた可能性があるためで、規制クレジット収入の縮小も利益の重荷として意識されている。

EV専門メディアのElectrekによると、Teslaは米東部時間22日の取引終了後に2026年4〜6月期決算を発表する。カンファレンスコールは同日午後5時30分に開く。

同四半期の納車台数は48万126台と、前年同期比25%増えた。市場予想も約7万4000台上回り、前年同期比での増加は2年ぶり。4〜6月期としては過去最高水準となった。

生産台数は45万1758台だった。納車が生産を約2万8000台上回っており、在庫の取り崩しが進んだ計算になる。前四半期に約5万台の在庫が積み上がった局面とは対照的だ。

エネルギー貯蔵事業も拡大した。蓄電システムの導入量は13.5GWhと、前年同期の9.6GWh、前四半期の8.8GWhを上回った。一方で、市場予想の約13.8GWhにはわずかに届かなかった。それでも同事業は、Teslaの安定成長を支える分野とみられている。

売上高の市場予想は259億〜264億ドルで、前年同期の225億ドルから15〜17%の増収となる見通しだ。前四半期の223億8000万ドルも上回る水準となる。

ただ、予想レンジは223億ドルから290億ドル超まで幅が大きい。記録的な販売台数を実現する過程で、どの程度の値下げや販売支援が行われたのかを巡って見方が分かれているためだ。

最大の焦点は収益性だ。市場では、調整後EPS(1株当たり利益)を0.52〜0.53ドルと予想している。前年同期の0.40ドルを上回る見込みだが、証券会社ごとのばらつきは大きい。

弱気な見方では0.27ドルまで切り下がり、Deutsche Bankは0.36ドルを見込む。一方、強気予想では0.74ドルに達する。販売増がそのまま利益増につながったのか、それとも値下げや低金利の販売支援で相殺されたのかが読み切れていない。

投資家が最も注目するのは、規制クレジットを除く自動車粗利益率だ。2026年1〜3月期は約12.5%だった。

納車が大きく伸びた4〜6月期でもこの水準を維持できていれば、回復の持続性に対する信頼感は強まる。逆に低下していれば、規制クレジット収入の減少や税額控除終了という逆風のなか、値下げや金融支援で販売数量を積み上げたにすぎないとの見方が強まりそうだ。

規制クレジットの寄与も縮小している。Teslaは2025年4〜6月期に規制クレジット販売で4億3900万ドルを計上したが、これは前年から50%超の減少だった。その後も縮小傾向が続いている。

さらに、2025年9月30日に米連邦のEV税額控除が終了したことも、収益性の逆風とみられている。オプション市場では、決算発表後の株価変動率として上下いずれかに約7.6%を織り込んでいる。

決算説明会の質疑応答はSay Technologiesを通じて行われる。株主は保有株数に応じた重み付けで質問の投稿や推薦ができる。

締め切り時点では、約1710人が計862万株を代表して425件の質問を投稿した。保有株数ベースで上位に入った質問は、Optimus第3世代の量産拡大とロボタクシー運用拡大の制約要因を問う内容で、それぞれ約530万〜540万株の支持を集めた。

一方で、特定の大株主が経営陣に友好的な質問を上位に押し上げているとの見方も出ている。

単純な推薦数で最も注目を集めたのは別の質問だった。732票を集めたのは、「Teslaがロボタクシーの短期ガイダンスを3四半期連続で達成できなかった理由は何か」という問いだ。現時点で約150万株を代表している。

競争環境にも変化の兆しがある。Teslaの納車が25%増えたことで、中国BYDとの差はやや縮小した。同期間のBYDのバッテリー式電気自動車(BEV)販売は約8%減少しており、両社の動きは対照的だった。Teslaの順位はなお2位にとどまる。

市場では、今回の決算で納車台数そのものを懸念材料とみる向きは限られている。25%増かつ過去最高の4〜6月期納車は、数字としては明確な成果だからだ。

ただし、納車の伸びと収益性は別問題だ。在庫を減らしつつ生産を上回る販売を実現した点は好材料だが、最終的な評価は規制クレジットを除く自動車粗利益率を維持できたかにかかっている。

利益率が保たれていれば、今回の回復は実質を伴うものと受け止められる。逆に低下していれば、収益性を犠牲にして販売量だけを積み上げたとの解釈が広がる可能性が高い。

もっとも、Tesla株はロボタクシーやOptimusといった、なお遅延が指摘されるプロジェクトへの期待にも大きく左右される。そのため、今回の決算が株価に与える影響は限定的にとどまる可能性もある。

EV販売が低迷していた局面では、「Teslaはもはや自動車会社ではない」との見方も出ていた。だが今回の好実績は、皮肉にもEV販売の回復が支えた格好だ。

結局のところ、焦点は販売記録そのものではない。記録的な納車が、どこまで利益につながったのかである。在庫圧縮と納車拡大が本格反転のサインなのか、それとも利益率を削って実現した数字なのか――その答えは、22日に示される自動車部門の収益性指標が左右する。

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