Appleが、iPhoneやMac、iPad、Apple Watchの主要モデルを対象とする月額制プログラム「Apple Upgrade」の導入を準備している。米Bloombergによると、早ければ28日にも開始する見通しだ。
Bloombergが2026年7月21日(現地時間)に報じたところによれば、Appleは金融サービス企業Klarnaと提携し、端末のサブスクリプション型プログラムの立ち上げを進めている。
今回の取り組みは、Appleが2024年にいったん撤回したハードウェアのサブスク構想を改めて動かすものだ。当時は金融規制への対応負担が重く、計画を見送ったとされる。今回はKlarnaとの協業により、その負担を抑える枠組みを採用したという。Bloombergは、この提携によってAppleが財務面の責任を直接負わずにサービスを提供できるようになったと伝えている。
AppleとKlarnaは2024年から、Apple PayでBNPL(後払い決済)の選択肢を共同で提供している。今回の提携は、その協業を端末販売にも広げる位置付けとなる。
Apple Upgradeは、単なる分割払いより柔軟な仕組みになる見込みだ。利用者は契約期間中に新しい端末へ乗り換えられる可能性があり、契約満了時には買い取りか返却かを選べるとみられる。期間中の早期返済にも対応する見通しだ。契約期間はiPhoneとApple Watchが24カ月、iPadとMacが36カ月となる可能性が高く、加入時には簡易な与信審査が必要になるという。
もっとも、すべての製品が対象になるわけではない。Bloombergのマーク・ガーマン氏によると、iPhone 16、MacBook Neo、Apple Watch SE、ベーシックモデルのiPadは対象外となる可能性がある。AppleCareもこのプログラムには含まれない見通しだ。
これに伴い、Appleが既存のiPhone Upgrade Programや一般向けの金融プログラムの新規受け付けを停止する可能性も取り沙汰されている。決済・販売体系の簡素化を狙った動きとみられる。
提供地域はまず米国が有力で、他市場へすぐに拡大するかどうかは不透明だ。
市場の関心は、足元で進むApple製品の値上げとも重なっている。Appleは最近、複数の端末価格を少なくとも100ドル(約1万5000円)引き上げたほか、M3 Ultra搭載のMac Studioは最大1300ドル(約19万5000円)値上げされた。数週間以内に発表されるとみられる今年のiPhone新モデルでも価格上昇が見込まれており、さらにハイエンドのiPhone UltraやMacBook Ultraの投入も予定されていることから、購入負担は一段と重くなる可能性がある。
こうしたなか、Apple Upgradeは、消費者が高額な初期負担を抑えて新端末を入手する手段になり得る。Appleにとっても、値上げ後の販売を下支えしつつ、サービス事業のような継続収益を積み上げる契機となる可能性がある。
一方で、BNPLに近い性格を持つ仕組みである以上、延滞時の手数料負担など消費者リスクを指摘する声もある。正式に始まれば、対象端末の範囲、手数料体系、既存プログラムの整理の有無が焦点になりそうだ。