ビットコインが6万7000ドルに迫り、約1カ月ぶりの高値を付けた。米株式市場では暗号資産関連株にも買いが広がり、StrategyやCoinbase、Marathon Digitalがそろって上昇した。
Bitcoin Magazineによると、21日(現地時間)のビットコインは一時6万6886ドルまで上昇した。直近7日間の上昇率は約6%に達した。
今回の上昇は、中東情勢の緊張が再び高まる局面で進んだ。株式市場も底堅く推移し、ビットコイン高が関連銘柄の上昇につながった。
NASDAQ上場のStrategy(MSTR)は100ドル台を回復した。Coinbase(COIN)は11%高、ビットコイン採掘大手のMarathon Digital(MARA)も6%超上昇した。
市場では、Strategyの資金運用方針の変化にも関心が集まっている。Strategyは20日、これまで継続してきたビットコインの追加購入を見送ったと発表した。
一方で、2億2500万ドル相当のMSTR株を売却し、確保した資金をドル準備金として活用したという。
Strategyは2020年以降、インフレヘッジ手段としてビットコインを買い進めてきた。現在の保有量は84万3775BTCで、足元の時価ベースでは約562億ドルに相当する。
ただ、株価は2024年11月に記録した高値473.83ドルをなお大きく下回る。昨年はビットコイン相場の下落に連れて、Strategy株も大幅に値を下げた。
ビットコインは年初来で軟調な時期が長く、年初からの下落率は約24%となっている。昨年10月に付けた過去最高値12万6080ドルからは、価格がほぼ半値の水準まで下落した。
当時は業界でも最大級の急落局面となり、190億ドル超の暗号資産ポジションが清算されるなど、市場への衝撃は大きかった。
その後、2月には米国とイスラエルによるイラン攻撃を受けて原油価格が上昇し、世界的なインフレ不透明感が強まった。これが暗号資産市場の重荷となり、市場参加者の間では、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げは当面難しいとの見方が広がっている。
インフレ懸念が強まれば利下げ余地は縮小し、ビットコイン相場の上昇に必要な流動性を抑える要因になるとみられている。
それでも足元の相場は、地政学的な衝突が直ちにビットコイン安につながるわけではないことを示した格好だ。イランと米国の対立は停戦後も続いている。
20日から21日にかけて、米国はイランの軍事目標に対する空爆を10日連続で続けた。ドナルド・トランプは米兵3人の死亡への報復を公言しており、米国防総省は直近2週間で米兵約100人が負傷したと明らかにした。
こうした情勢下でもビットコインが反発し、関連株までそろって上昇したことで、市場は地政学リスクよりも短期的な需給やリスク選好の回復を重視していることがうかがえる。ただ、Strategyの追加購入見送りとドル準備金の積み増し、FRBの金利見通しを巡る警戒感は、今後の相場を左右する材料として残りそうだ。