Harnessは、AIエージェント向け新製品「Agent DLC」を発表した。既存のソフトウェア開発・デリバリー基盤の中でAIエージェントを扱えるようにし、PoC段階から本番環境への移行で生じやすい課題の解消を狙う。
米SiliconANGLEが21日(現地時間)にこう報じた。Agent DLCは、AIエージェント向けの評価、デプロイ管理、セキュリティ統制を統合した製品で、従来のCI/CDパイプライン上で開発から運用までを進められるようにする。
これにより開発チームは、新たな仕組みを別途構築することなく、既存アプリケーションで使ってきたプラットフォームや統制、パイプライン、ガバナンスの枠組みをそのまま活用しながら、エージェントの構築、テスト、配備、運用を進められる。
Harnessによると、企業は生産性向上を見込みAIエージェントの導入を急いでいる一方、本番導入まで進んだ事例はまだ限られる。同社の内部データでは、エージェント型AIを本番環境で稼働させている組織は8%にとどまった。
その背景として、従来のソフトウェアは一度検証すれば同じ入力に対して同じ結果を返しやすいのに対し、AIエージェントはリクエストごとに呼び出すAPIやツール、実行手順を自律的に選択するため、挙動の予測が難しいと説明している。
Agent DLCは、こうした特性を踏まえ、開発ライフサイクル全体をカバーする専用機能を備える。「Harness AI Evals」では、評価用データセットと品質ゲートを定義し、エージェントやモデルの変更時に性能劣化の有無を検証する。
「Harness Agent Deployments」は、Amazon Bedrock AgentCoreなど外部の継続的デリバリー基盤におけるマネージド型のエージェント実行環境に対応し、既存のリリース手順を維持したまま展開できるようにした。
運用面では「AI Configs」が、リリース管理やプロンプト管理、実行中のモデル切り替えを支援する。以前のバージョンを再デプロイすることなく、即時にロールバックできるとしている。
このほか、同社の開発者ポータルには、エージェント、スキル、プラグインを自動検出して登録するアセットカタログも追加した。
セキュリティ機能も盛り込んだ。エージェント・セキュリティモジュールは、エージェントが利用するAIモデルやスキルをスキャンして設定不備を検出するほか、デプロイ前に敵対的入力に対するテストを実施する。
さらに、各エージェントの構成要素に関する仕様ドキュメントを生成する機能も備える。運用環境では、プロンプトインジェクション攻撃やデータ漏えいを防ぐファイアウォールとしても機能する。