ロンドン証券取引所(LSE)が2027年上半期に、通常市場とは別建ての夜間市場を開設する計画であることが分かった。暗号資産やトークン化株式の取引基盤が24時間取引を打ち出すなか、伝統的な証券取引所も取引時間の長時間化に動き出す。
Cointelegraphが21日付で報じた。計画では、夜間市場の取引時間はロンドン時間の午後5時から翌午前7時50分まで。通常市場は現行どおり午前8時から午後4時30分までとする。
当初の対象商品は、英国および米国の株価指数に連動するETPとなる見通しだ。LSEは、いきなり個別銘柄まで広げるのではなく、まず対象を絞った別市場を立ち上げ、需要やシステムの安定性を見極める方針とみられる。
背景には、世界の金融市場で取引時間を巡る競争が強まっていることがある。暗号資産市場では24時間365日の取引が一般化しており、トークン化株式のプラットフォームでも24時間取引が競争力の一つになっている。これを受け、通常取引中心で運営してきた既存の取引所でも、時間的な制約を緩和して投資家需要を取り込もうとする動きが広がっている。
LSEの最高経営責任者(CEO)、ジュリア・ホジェット氏は、延長取引に対する個人投資家の需要が拡大していると説明した。投資家がロンドン市場の時間的優位性を生かし、英国資産にとどまらずグローバル資産への投資を求めていることも明らかにした。欧州市場の引け後や米国市場の通常取引時間外の需要を取り込む狙いもある。計画が実現すれば、LSEは1日の大半で取引機会を提供することになる。
もっとも、夜間市場は既存の通常市場と完全に一体化した仕組みではない。LSEは通常市場を維持したまま、別市場として夜間取引を運営する。投資家は通常の取引時間外にも売買の選択肢を持てるようになる。
伝統的な金融市場とデジタル資産市場の競争は、取引対象や流動性だけでなく、取引可能な時間帯にも広がっている。取引時間そのものが投資家を引きつける要素として存在感を増している格好だ。
今後の焦点は、実際の開設時期と立ち上げ時の商品構成にある。夜間市場が個人投資家の需要をどこまで取り込めるかに加え、LSEの動きが他の主要取引所による取引時間拡大を促すかどうかも注目される。