写真=ソウル・COEXで開かれた「Unite Seoul 2026」で「Unity 7」を発表するUnityのマシュー・ブロンバーグ社長兼CEO[Ho-jung Lee記者]

Unityは21日、次世代プラットフォーム「Unity 7」を発表した。開発者やアーティストに加え、AIコーディングエージェントも制作プロセスに組み込む設計とし、開発ツール、外部AI、広告、決済機能を連携させることで、ゲーム開発から運営・収益化までを単一基盤で支援する。

発表は、ソウル・サムソンドンのCOEXで開催した開発者イベント「Unite Seoul 2026」で行った。プレビュー版は12月に公開し、一部機能はそれに先立ってベータ版として提供する。正式版のリリースは2027年1~3月期を予定している。

マシュー・ブロンバーグ社長兼CEOは基調講演で、Unity 7開発の背景について、ゲーム開発が開発者中心の作業から、アーティスト、プロデューサー、コーディングエージェントが並行して関わる協業型へ移行している点を挙げた。

同氏は「単なるポイントリリースでは不十分だ。ゲーム制作の進め方そのものが変わった。多様なクリエイターとコーディングエージェントが制作全体で協業する時代に合わせ、Unityも進化しなければならない」と述べた。

◆AI連携を前提に協業領域を拡張

Unity 7の中核は、ゲーム制作をUnityエディターの内部に閉じないことにある。従来はエディター全体にアクセスしなければ共同作業が難しかったが、Unity 7では開発者、アーティスト、プロデューサーが、それぞれ使い慣れたツール上でアセットを確認し、ビルドを配信できるようにする。

これを支えるのが、コマンドラインインタフェース(CLI)と公開APIだ。各担当者は自身の作業環境から必要な機能だけを呼び出して作業でき、外部のAIコーディングエージェントもこれらを通じてUnityプロジェクトと連携し、コードの生成や修正を支援する。

AIツールとUnityを接続するモデル・コンテキスト・プロトコル(MCP)も、Unity 7に無償で搭載する。開発者は既存の外部コーディングエージェントをUnityに接続し、コード生成や修正、プロジェクト分析に活用できる。Unityは、自社開発のコンテキスト認識型エージェントをエンジンに直接統合する計画も示した。

Unityは、AIの用途がコード生成にとどまらず、プロジェクト分析や修正など開発全般へ広がっていることを踏まえ、プラットフォーム設計そのものにコーディングエージェントを組み込んだ。人とAIがアセット、コード、シーン、ゲームプレイ情報をリアルタイムで確認・修正し、アイデアをゲームとして形にするまでの時間短縮を狙う。

◆開発速度と描画品質を強化

Unity 7では、Microsoftのオープンソース.NET実行環境「CoreCLR」を基盤にエンジンコアをモダナイズし、開発速度の向上を図る。従来は小さな変更でも関連領域全体を再読み込みしていたが、変更箇所だけを読み込む「動的リロード」を導入し、待ち時間の短縮とプレイモードのほぼ即時起動を目指す。

Unityは、「Unity 6.6」から新規プロジェクト向けに「高速プレイモード移行」機能を標準適用する計画だ。検証結果として、「ロードナイン」ではプレイモード移行が2.7倍、社内テストサンプルでは4倍、「Deep Rock Galactic: Survivor」では4.7倍高速化したとしている。シェーダーのビルド時間についても、プラットフォーム別設定と高速ビルドプロファイルにより、最大90%の短縮に段階的に対応する。

事例として、Line Gamesのキム・ジョンウク氏は「Amber and Blade」を紹介した。適応型プローブボリュームとシェーダーグラフを用いて昼、夕景、夜の切り替えを自然に実装し、VFXグラフと頂点アニメーションテクスチャによって、モンスター400体を同時表示しながらバッチカウントを90%以上削減した。アドレサブルとプロファイリングツールの活用により、ランタイムのメモリ使用量も75%以上削減したという。

ライティング処理も刷新する。Unityは、リアルタイムのグローバルイルミネーション技術「Surface Cache GI」を新たに導入する。ライトマップなど照明データの事前計算を必要とした従来方式と異なり、光源やオブジェクトの動きに応じて間接光をリアルタイムで計算するため、時間帯の変化やユーザー生成コンテンツにも照明を即座に反映できる。Unityは、この技術を適用したシーンがモバイル端末で毎秒60フレーム動作するデモも披露した。

AIでグラフィックス処理負荷を抑える「Unity Neural」も段階的に導入する。中核となるのは、ニューラルネットワークを活用したアップスケーリングとテクスチャ圧縮だ。デモでは、テクスチャのメモリ使用量を50%以上、関連データ容量を約70%削減した。処理はサーバーではなく、ユーザーのPC、コンソール、モバイル端末上で実行し、サーバー通信なしで遅延を抑えられるとしている。

◆開発ツールから事業運営基盤へ拡張

Unity 7は、ゲーム制作ツールの枠を超え、リリース後の収益化まで支援する事業プラットフォームへと領域を広げる。

アプリストア決済に加え、ユーザーに直接商品を販売するD2C機能をUnityのアプリ内課金システムに統合する。開発会社はコーディング不要でWebストアを構築でき、アプリとWebの商品を単一カタログで管理できる。ユーザーはゲームを終了せずにWeb決済で購入できる。決済と不正取引検知はStripeやCodaなど外部決済事業者が担い、アプリストア依存の決済構造に伴う手数料負担の軽減を見込む。

ユーザー獲得では、AI広告プラットフォーム「Unity Vector」を活用する。Unityベースのゲーム利用データと広告データを学習し、ゲームを好み、長期的に課金する可能性が高いユーザーを見つけて広告配信する仕組みだ。Unityは、Vector経由の広告出稿規模が前年から2倍以上に拡大したと明らかにした。

事例として登壇したカジュアルゲーム会社ActionFitのパク・イヌ代表は、「創業以来の累計ダウンロード数は4000万件、グローバル累計売上高は1000億ウォンに達した」と説明した。「Unity Adsは創業初期からのマーケティングパートナーであり、最近では、リリース後28日間の広告費対売上高を測る『D28 ROAS』キャンペーンを通じて、ゲーム『Drop the Cat』のアプリ内課金成果とユーザー生涯価値(LTV)の向上に寄与している」と述べた。

Unity 7では、ゲーム内購入データをVectorに直接送信し、広告データと決済データを連携させる。どの広告経由で流入したユーザーが実際の購入につながったかを分析し、広告ターゲティングを再最適化する仕組みだ。

プロンプトだけでUnity Adsを管理できるMCPも提供する。成果の低いキャンペーンを特定し、予算の再配分を行えるようにする。原因分析から改善案の提示まで担う対話型AIエージェント「Campaign Assistant」は、年末にアルファ版として投入する予定だ。

Unity 7は、Unity 6のアーキテクチャを継承し、プロジェクトの作り直しや新たなプログラミング言語の習得なしに、既存コードとアセットを移行できるようにした。Unityは、バージョン移行時の外部アセットとの競合を減らすため、Asset Storeの主要パッケージ68件について互換性を事前検証しており、プロジェクト分析ツールと移行ガイドも併せて提供する。

ブロンバーグCEOは「ゲーム開発は歴史上かつてない速さで変化している」と強調した。そのうえで「未来をつかむのは最大規模のチームではない。新技術を使って独自のコンテンツを生み出し、プレイヤーを獲得できるチームだ。Unity 7は、そうした時代の要請に応えるプラットフォームになる」と語った。

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