ビットコインETFのイメージ写真=Shutterstock

米国のビットコイン現物ETFが2週連続で純流入となった。ただ、直近2週間の流入額は、その前の8週間で流出した82億ドルの3.3%にとどまる。市場では、本格的な資金回復とみるにはなお早いとの見方が出ている。

20日、ブロックチェーンメディアのDecryptoによると、米国で上場するビットコイン現物ETF13本は、17日までの1週間に7570万ドルの純流入を記録した。

前週の純流入1億9740万ドルを合わせると、直近2週間の累計純流入は2億7310万ドルとなる。2週連続で資金流入となるのは5月初旬以来だ。

一方で、5月中旬から7月初旬にかけては8週連続の純流出が続き、流出額は累計82億ドルを超えた。6月単月の流出額は約45億ドルと、2024年1月の上場以降で最大だった。

週単位では流入超となったものの、相場の不安定さは続いた。14日には1日で4億2470万ドルが流出し、6月26日以降で最大の1日当たり純流出を記録した。米国とイランの軍事的緊張の高まりを受けて市場心理が悪化したが、その後4日間は流入が続き、週次ではプラスを維持した。

ビットコイン現物ETFは、投資家が暗号資産ウォレットを直接管理しなくても、ETFを通じてビットコインに投資できる商品だ。2024年初の上場直後は大規模な資金流入期待を背景に市場が急拡大したが、足元の軟調な相場では投資家資金の流出が続いていた。

市場では、今回の流入を短期的な戻りとみるか、中長期的なトレンド転換の兆しとみるかで見方が分かれている。Bloomberg IntelligenceのシニアETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏は17日、ビットコイン現物ETFの資金動向を金ETFの歴史になぞらえて分析した。

同氏は、金とビットコインはいずれも配当や利益、政府保証を持たず、利回りを生まない価値保存資産という点で構造が似ていると指摘した。価格は投資需要や市場心理の影響を受けやすいという。

そのうえで、ビットコイン現物ETFも「急騰、大幅調整、投資家の忍耐を試す回復」という、金ETFと似た軌道をたどる可能性があるとした。代表的な金現物ETFである「GLD」も一時は世界最大級のETFとなったが、その後8年間低迷したことを根拠に挙げた。

バルチュナス氏は、BlackRockのビットコイン現物ETF「iShares Bitcoin Trust」(IBIT)でも同様の動きがみられたと説明した。IBITは昨年10月、運用資産が一時1000億ドルを超えたが、これはビットコイン価格が12万6000ドルを上回っていた時期とおおむね重なるという。

その後、ビットコイン価格はピーク時からおよそ半値水準まで下落し、現在は6万5000ドル前後で推移している。

資金流出圧力は保有量の減少にもつながった。BlackRockはここ数カ月、償還に伴い約10万BTCを売却し、現在の保有残高は73万3000BTCをやや上回る水準まで減少した。

一方、Citiはより慎重な見方を示した。7月1日付の見通しで、ビットコインの12カ月目標価格を11万2000ドルから8万2000ドルへ引き下げ、2027年のETF純流入予想も従来の100億ドルからゼロに修正した。低調な資金フロー、米国の暗号資産法案の停滞、機関投資家需要の弱まりを織り込んだとしている。

市場規模も縮小している。米国のビットコイン現物ETF13本の純資産総額は現在777億ドルで、5月中旬に流出が始まる直前の1060億ドル超から減少した。

2週連続の純流入は一定の下支え材料ではあるものの、市場の関心は短期的な反発よりも、資金流入が持続するか、機関投資家需要が戻るかに集まっている。

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