ビットコイン 写真=Shutterstock

ビットコインは6万3000ドル台の下値を保ち、6万5000〜6万7000ドルへの戻りを試せるかが今週の焦点となる。現物ETFへの資金流入やデリバティブ需要は相場の下支え材料だが、中東情勢の緊迫化、原油高、米金利への警戒、現物需要の弱さが重荷となっている。

Cointelegraphによると、ビットコインは20日、週足確定後の売り圧力で一時6万3700ドルまで下落した。ただ、長期トレンドの節目とされる200週単純移動平均線は上回って推移した。

短期筋は下値維持を見極めている。トレーダーのJelleはX(旧Twitter)で、前回レンジの下限を維持しているとして、今週は6万5000〜6万7000ドルへの自律反発もあり得るとの見方を示した。

週足ベースでは長期指標が注目を集めた。Daan Crypto Tradesは、ビットコインが6万3322ドル近辺の200週単純移動平均線を上回った状態で、3週連続の週足終値を付けたと指摘した。そのうえで、地合いの本格改善には、6万8521ドルに位置する週足の200週指数移動平均線を明確に上抜く必要があるとみている。

一方で、強気一辺倒の見方は広がっていない。アナリストのRomanは、相対力指数(RSI)など複数の指標で強気ダイバージェンスが出ていると指摘した。これに対し、Rekt Capitalは、2025年を今回サイクルの強気相場の天井、2026年を弱気相場の年と位置付け、足元の弱気局面はすでに70%超進行したとの試算を示している。

マクロ環境も不安定だ。米国とイランを巡る軍事的緊張が再び高まり、リスク資産全般の変動要因が増している。イラン外相は核を巡る対立が解決不能な水準に達する可能性があると警告し、ドナルド・トランプ米大統領はロシア制裁法案にイランを加えるべきだと促した。こうした動きを受け、週明けの国際原油相場は上昇し、WTIは1バレル80ドルを上回って5週ぶりの高値を付けた。

今週はTesla、Alphabet、Intelの決算発表も控える。ハイテク株の値動きが大きくなれば、暗号資産市場にも短期的な影響が波及する可能性がある。米インフレ指標は市場予想を下回ったものの、市場では9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25ポイントの利上げの可能性がなお意識されている。

需給面では、現物需要の弱さが最大の制約とみられている。CryptoQuantは、7月初旬に見られたビットコイン供給の増加はすでに市場で消化されたと分析した。アナリストのScenarioXは、30日ベースの現物需要が7月初旬にマイナス約8万BTCまで改善した後、再びマイナス約17万BTCまで悪化したと明らかにした。

価格が比較的安定している背景には、デリバティブ市場の需要がある。ビットコイン現物ETFも、先週は5営業日中4営業日で純流入となり、一定の緩衝材になった。

ただし、こうした下支えが長続きしない可能性もある。CryptoQuantは、十分な現物需要を伴わない上昇は、最終的に大規模なロング清算につながりやすいと分析した。先物需要が残る間は上値余地が意識されるものの、上昇基盤はなお脆弱だという見方だ。

マイナー収益性に関するオンチェーン指標も、底入れの可能性を示している。CryptoQuantは、プエル・マルチプルが6月初旬にマクロ的な安値を付けた後、足元では反発局面にあると説明した。ただ、サイクル全体の底が確認されたと判断するのは時期尚早だとしている。

TheChesOnChainも、2024年と2026年の安値局面は価格の底ではなく、プエル指標の底だったと指摘した。過去のように0.5割れの深い割安局面だけを待つ戦略は、もはや有効でない可能性があるとの見方を示した。

投資家心理にはやや持ち直しの動きが出ている。暗号資産の恐怖・強欲指数は20日時点で29と、なお「恐怖」圏にあるものの、6月初旬以降では最も高い水準まで上昇した。市場分析会社Santimentは、5月と6月の長期的な資金流出局面を経てETF需要が戻りつつあり、暗号資産市場への信頼も回復し始めていると評価した。

今週の焦点は、6万3000ドル台の支持線を維持できるか、そして6万8500ドル前後の抵抗線を回復できるかにある。現物ETFへの流入とデリバティブ需要は短期的な支援材料だが、中東の地政学リスク、原油高、金利警戒、現物買いの弱さが同時にくすぶっており、戻りの持続力を見極める局面が続きそうだ。

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