Teslaの2026年型Model 3/Model Yで、センターディスプレーを軸にした操作体系がさらに拡大した。加えて、フルセルフドライビング(FSD)を契約していない車両では、操舵支援機能が利用できない構成に改められた。
17日付のCleanTechnicaによると、2019年型Teslaから2026年型Model Yに乗り換えたユーザーが、5月26日の納車後に新旧モデルの違いを報告した。とくに変化が大きかった点として、シフト操作と運転支援機能の構成を挙げている。
大きな変更の一つがシフト操作だ。2026年型では従来の右側レバーがなくなり、前進と後退の切り替えはセンターディスプレー上で行う方式になった。
操作はボタン式ではなく、車両アバターを上下にスワイプして切り替える。このユーザーは、納車直後に最も不便だと感じた点として後退への切り替えを挙げ、「前進と後退を切り替えるたびに画面へ手を伸ばさなければならないのが気に入らない」と述べた。
前進・後退を自動で切り替える機能も備えるが、2か月使った印象としては「作動するのはたまにしかなかった」という。
一方で、ステアリング周辺の物理操作系には改善もあったという。左側のスクロールホイールはミュートや音量、曲送りを担い、右側は速度を数値で細かく合わせる方式ではなく、走行特性の設定を切り替えて選ぶ仕様に変わった。
ユーザーはこれを「大きな改善」と評価した。右ホイールの押下で運転支援機能のオン・オフができるほか、左右ボタンでハイビーム、ワイパー、マイク、前方・側方カメラ表示の切り替えも操作できるとしている。
その上で、「前進・後退の物理操作がなくなった点を除けば、新しい操作体系は優れている」と語った。
シート調整にもグレード差がある。2026年型Model 3とModel Yの上位トリムは座席側面の物理スイッチを維持する一方、ベースグレードのModel Yでは画面上でシート位置を調整する仕様だ。
もっとも、シート設定を頻繁に変えないのであれば、大きな問題にはなりにくいとの見方も示した。
年次改良で体感差が大きいもう一つのポイントが、運転支援機能の構成変更だ。2012年のModel S発売以降、2025年型まではスマート速度制御と操舵支援機能がセットで提供されてきたが、2026年型ではFSDを契約しない場合、操舵支援機能を使えなくなったという。
このユーザーは、これを「月額99ドル(約1万4850円)のFSD契約へ半ば強制的に誘導するものだ」と批判した。一方で、長距離移動では必要性が高い機能でもあるため、長距離運転が多くないユーザーであれば、必要な月だけFSDを契約する選択肢もあると付け加えた。
ハードウェアとソフトウェアの差にも言及している。ユーザーは2019年にFSDの永久利用権を6000ドル(約90万円)で購入したが、当時は機能が限定的だったと説明した。
その後のソフトウェア更新によって、2023年にはFSD V12がさまざまな状況に対応できるレベルまで進化したと評価している。ただ、2023年半ば以降、Teslaはより高性能なコンピュータとカメラを搭載した「HW4」を新車に採用しており、旧型車向けFSDはV12で止まったとしている。
これに対し、新型車ではFSD V14の開発が続いており、このバージョンは高い評価を受けていると伝えた。
グレード選びでは、上位トリムの実用面での優位性も指摘した。ベースグレードのModel Yは価格が約6000ドル(約90万円)低い一方、上位トリムは75kWhのバッテリーを搭載し、米環境保護庁(EPA)基準で357マイル(約570km)の航続距離と、より高速な充電性能を備える。
ベースグレレードは60kWhバッテリーで、EPA基準の航続距離は321マイル(約520km)とした。オーディオシステムでも上位トリムが優位で、サブウーファー2基を備える点が差別化要素として挙がった。
外観の前後ライトバーや車内のムード照明といったデザイン要素よりも、バッテリー容量や航続距離、充電速度の差が購入判断では重要だとの見方も示している。
空気質に関する装備も差別化要素として触れた。上位トリムにはHEPAフィルターを採用し、ベースグレードにも空気質改善用フィルター2基を搭載するという。
居住地域から大西洋沿岸にかけて煙害が続くなか、HEPAフィルターの価値を実感しやすくなったとも説明した。
今回の事例からは、Teslaが2026年型で単なる小規模改良にとどまらず、操作インターフェースと機能提供のあり方を同時に見直したことがうかがえる。画面中心の操作体系をさらに推し進める一方、物理操作の削減や操舵支援機能の提供条件見直しが、実際の使い勝手にどう影響するかが注目される。