画像=Sunday Robotics

米スタートアップのSunday Roboticsは、家庭向けロボット「Memo」を動かす新AIモデル「ACT-2」を発表した。未知の家庭環境や学習していない衣類を使ったテストでも、洗濯物たたみで99%を超える成功率を記録したという。家庭ごとに異なる間取りや物の配置に対応する「汎化」が課題とされてきた家庭向けロボット分野で、実環境での安定動作を訴求したかたちだ。

米Business Insiderが16日(現地時間)に報じた。

同社によると、Memoは初めて入る家庭環境や未学習の衣類を対象にした検証で、高い精度で洗濯物たたみをこなした。特定の空間や物体に最適化された従来のロボットと異なり、ある環境で獲得した作業能力を別の環境にも応用できるよう設計した点が特徴だという。

家庭向けロボット業界では、家庭ごとに異なる構造や物品に対応する汎化能力が、商用化に向けた最大の壁とされてきた。制御された研究環境では高い性能を示しても、実際の家庭では環境の違いによって性能が大きく低下する例が少なくなかったためだ。

Sunday RoboticsのCEO、トニー・ジャオ氏は「2026年は、今回のブレークスルーを契機に、自律型家庭向けロボットの商用化が大きく前進する年になる」とコメントした。「オフィスで確認したMemoの性能が、実際の家庭でもほぼそのまま再現された」としている。

今回の発表は、家庭向けロボット市場で競争が本格化するタイミングとも重なる。Y Combinator支援のスタートアップWeave Roboticsは今秋、米カリフォルニアで洗濯物たたみ機能を備えた車輪型ロボット「Isaac 1」を7999ドルで出荷する計画だ。1Xは約2万ドルのヒューマノイド「Neo」の供給を準備しており、Teslaもヒューマノイド「Optimus」の家庭向け展開を進めている。Sunday Roboticsも今秋、Memoを一般家庭に設置するベータプログラムを始める予定だ。

Sunday Roboticsはあわせて、ロボット性能の新たな評価指標「SOLVE」も提唱した。派手なデモ映像ではなく、実環境でどれだけ安定して作業を遂行できるかを測るための指標だ。

同社によると、企業はロボットが実行できる作業内容に加え、試験環境の条件、新しい環境で追加学習がどの程度必要か、人の介入があるかどうかといった情報もあわせて開示すべきだという。Sunday Roboticsは、Memoによる洗濯物たたみを最初のSOLVE事例として示した。

ACT-2は2段階の学習方式を採用する。まず、人が同社開発のセンサー付き手袋を装着して日常作業を行い、ロボットが基本動作を学習する。

この手袋は製造コストが約200ドルで、Memoの手の構造に合わせて設計した。人の動きをロボットの動作に自然に伝えられるようにしたという。

その後、ロボットは自社OS上で反復学習を重ね、性能を高める。Sunday Roboticsは、基礎知識を備えたロボットであれば、新しい作業も数分で習得し、性能を向上させられると説明している。

同社はここ数カ月、社員の自宅やAirbnbなど多様な環境でMemoを試験し、未知の空間への対応力を検証してきたという。運用面では、通常は自律動作し、利用者が支援を求めた場合に限って遠隔オペレーターが介入する形を想定する。自動運転車の遠隔支援システムに近い方式としている。

一方で同社は、遠隔介入の過程で顧客宅のデータを収集したり、追加学習に活用したりすることはないと強調した。ジャオ氏は「完全な自律性こそが、ユーザーの信頼を得る最善の方法だ」と述べ、「遠隔操作を通じて家庭内データを集め、モデル改善に使う手法は採らない」と説明した。

Sunday Roboticsは今年初め、企業価値11億5000万ドルで1億6500万ドルを調達した。2024年にシリコンバレーのハッカーハウスで創業し、従業員数は100人を超えたという。

Memoはこれまで、食卓の片付けや食器洗い機への積み込み、エスプレッソの抽出など、さまざまな家事作業をデモしてきた。同社はACT-2によって、こうした機能の信頼性向上を目指す。現時点では、掃除機がけや玩具の片付け、ファスナーを閉める作業、コーヒーを入れる作業なども学習中だが、商用化に必要な安定性にはまだ達していないとしている。

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