HondaのEV「Prologue」 写真=Honda

Hondaは、米国で販売してきた電気自動車(EV)「Prologue」の生産を終了する。米EV市場では成長の鈍化に加え、税額控除の終了や関税、規制強化が重なっており、主要メーカーのEVラインアップ見直しが広がっている。

米TechCrunchが18日(現地時間)に報じた。HondaはPrologueについて、生産終了の手続きに入ったことを明らかにした。米市場では、単一モデルの打ち切りにとどまらず、EVモデル全体の再編が進んでいる。

米国のEV市場は、年初から販売に持ち直しの動きがみられる一方、成長ペースはなお鈍い。Kelley Blue BookとCox Automotiveのデータによると、2026年第2四半期の米EV販売台数は24万7226台で、新車販売全体に占める比率は5.8%だった。

販売台数は前期比では増加したものの、前年同期比では減少した。2025年秋に7500ドル(約113万円)の連邦EV税額控除が終了して以降、需要が鈍化した影響との見方が出ている。

Hondaは3月、米国事業戦略の見直しの一環として、「Honda O」セダン、「O SUV」、Acura RDXのEV開発中止を発表していた。背景には、米国の関税政策や中国メーカーの攻勢があるとしていた。

その後、Prologueの生産終了計画が伝えられ、Hondaも同モデルの生産が終了段階に入ったことを確認した。

Prologueは、Hondaが米国で本格展開してきた主力EVの1つだ。General Motorsとの協業により、メキシコのラモス・アリスペ工場で生産し、Chevrolet Blazer EVとプラットフォームを共通化していた。

販売台数は2024年が約3万3000台、2025年が約3万9000台だったが、税額控除の終了後は販売が大きく鈍化したとされる。

HondaとSonyが共同設立したEVブランド「Afeela」も計画を縮小した。両社は今年3月、AfeelaブランドでEV2車種を開発する計画を撤回した。これはHondaが米国向けEV3車種の開発中止を公表してから約2週間後の判断だった。北米投入を予定していた「Honda O」シリーズのミドルサイズSUVも、生産計画が事実上止まった。

他の完成車メーカーでも同様の動きが出ている。Hyundai Motorは3月、米国でIoniq 6の販売を終了すると発表した。韓国で生産した車両を米国に輸出する体制が影響を受けたとされる。

一方で、高性能モデルのIoniq 6 Nは販売を継続する計画だ。Ioniq 5とIoniq 9は米ジョージア州の工場で生産している。

Nissanは昨年、米国向け2026年型Ariyaの生産中止を決めた。Polestarは中国関連の車両技術規制の影響で米政府の承認を得られず、新規販売が事実上困難になった。

ただ、PolestarはPolestar 3とPolestar 4について、在庫販売と顧客向けサービスを継続する方針だという。

Teslaも今年初め、Model SとModel Xの生産終了を発表した。電動セダンやSUVよりも、人工知能(AI)や自動運転、ヒューマノイドロボット分野に軸足を移す姿勢を示している。

実際、カリフォルニア州フリーモント工場のModel SとModel Xの生産ラインは、Optimusロボットの生産スペース確保に向けて撤去された。最終車両は今春、組み立てラインを離れたという。

Volkswagenは、米テネシー州チャタヌーガ工場でのID.4生産を打ち切り、内燃機関ベースのAtlas SUVなど主力モデルに生産を集中する。VolvoもEX30とEX30 Cross Countryを米国市場から引き揚げる一方、EX60やEX90など上位の電動SUV販売に注力する計画だ。

米国市場では、税額控除の終了、関税、中国関連技術規制、消費者の嗜好変化、各社の優先順位見直しが重なり、EVラインアップの再編が進んでいる。Rivian R2のような新規投入もあるものの、市場全体では成長鈍化とモデル再編が並行して進む局面に入っている。

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