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米長期金利の上昇が、株式と債券の同時安を招き、ビットコインの重荷となっている。これまで株安時の逃避先とされてきた米国債が、足元ではリスク資産全体の下押し要因として意識され始めた。

CryptoSlateが19日に報じたところによると、市場の焦点は株式と債券の相関関係の変化にある。UBSは、S&P500と米10年国債利回りの2カ月ローリング相関がマイナス0.69と、1996年以降で最低水準に低下したと指摘した。株式と債券が、約30年ぶりの異例な形で同方向に動いていることを示す。

背景にあるのは、インフレ率そのものよりインフレの変動性だ。景気減速が相場を左右する局面では株式と債券は逆方向に動きやすいが、インフレが市場の主軸になると、両資産は同時に振れやすくなる。米運用会社AQRは、この構図が米国株と米国債の相関における長期変動の約70%を説明すると分析している。

こうした傾向は2022年以降、いっそう鮮明になった。6月の物価指標は鈍化し、米消費者物価指数(CPI)は3.5%まで低下したものの、長期金利の高止まりは続く。米30年国債利回りは2007年以降で初めて5%を上回り、16日時点でも5.1%近辺で推移した。年初以降の新規30年債入札も、総額250億ドル規模が5%超の水準で実施された。

需給面でも長期債には逆風が強い。米財政赤字は2026年に国内総生産(GDP)比約5.8%となり、2036年には6.7%まで拡大する見通しだ。加えて、経済協力開発機構(OECD)加盟国は今年、合計でおよそ18兆ドル(約2700兆円)の資金調達を迫られている。

海外需要の鈍化も重なっている。日本の投資家は第1四半期に、米国債、政府機関債、地方債を296億ドル(約4440億円)純売却した。日本やドイツで自国の長期金利が上昇するなか、過去20年にわたり米長期金利の上昇を抑えてきたグローバル需要が弱まりつつある兆候と受け止められている。

こうした金利環境は、ビットコインにより直接的に響く。実質金利が低下し、ドル安で金融環境が緩和する局面では上昇しやすい一方、債券市場が弱含むと、こうした追い風も同時にしぼみやすい。今週ビットコインが6万4000ドル(約960万円)を回復した背景についても、物価指標の鈍化を受けた短期金利の低下を挙げる見方が出ている。

Societe Generaleは、米10年債利回り4.5%を、株式と金利の関係が「敵対的」に変わる境目として示した。この水準までは金利上昇と株高が併存し得るが、これを上回ると追加的な金利上昇が株式の割引率負担を強めるという。

ビットコインは、株式以上にリスク選好の変化を受けやすい資産だ。無リスク金利が上昇すれば、利息を生まないビットコインを保有する機会費用は増す。株式市場が軟調なら、リスク資産全体への資金配分も縮小しやすい。このため、ワシントンでの規制進展といった暗号資産固有の好材料も、今年の買いを長期にわたって支えるには至らなかった。

もっとも、長期的な投資ストーリーまで損なわれたわけではない。5%台の長期金利、財政赤字の拡大、利払い費の増加、海外需要の弱まりは、国家信用に依存しない供給量固定型の資産の魅力を高める条件でもある。実際、オンチェーン上では現在、150億ドル(約2250億円)規模のトークン化米国債が保管されている。希少性より利回りを重視する資金が、すでにデジタル資産エコシステムへ流入していることを示している。

結局のところ、短期的には米長期国債利回りの上昇がビットコインの逆風となっている。インフレの変動性が落ち着き、景気減速が再び市場の主軸に戻らない限り、国債が従来の防衛資産としての役割を取り戻すのは容易ではない。それまではビットコインも、利回り5%台の米国債と競合するなかで、値動きの荒い展開が続きやすい。

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