ヒューマノイド向けアクチュエータ事業を説明するSamhyunのパク・ギウォン代表。写真=ソク・デゴン記者

モーションコントロールを手がけるSamhyunは8日、2029年までに計1000億ウォン(約110億円)を投資し、ヒューマノイド向けアクチュエータを中心とするロボット事業を本格化すると明らかにした。新ブランド「AXLON」を初公開し、関節アクチュエータ12製品をそろえた。受注プロセスにある顧客は21社に上り、このうち2社とはすでに海外向け量産契約を締結したという。

同社は同日、「マーケティングコミュニケーション・デー2026」を開催し、AXLONの製品群を紹介した。モーター、減速機、コントローラー、センサーを設計段階から一体化する「X-in-1」構造を採用したのが特徴だ。

製品は計12種で構成する。ロボットの主要な回転関節向けのIシリーズは、ハーモニック5種と遊星5種を用意した。強い衝撃が加わっても逆駆動性を維持するOシリーズに加え、高荷重の下半身関節向けにはリニアタイプのLシリーズを展開する。

Samhyunによると、アクチュエータ開発に着手してからの1年間で、約100社の顧客要求を分析した。その結果、開発の重点を軽量化、高効率、トルク密度、精密制御、低騒音の5項目に絞り込んだとしている。

同社は、現在の業界製品のトルク密度は50~70程度にとどまると説明する。100を超えると部品の小型化が進むうえ、バッテリー消費も抑えられ、完成品設計の自由度が大きく高まるという。

AXLONでは、この目標値に近い100前後の水準を実現したと公表した。2027年発売予定の第2世代製品では、100超を目標に先行開発を進めている。

受注状況も明らかにした。同社は営業案件を、プロスペクト(協議開始)、アセス(評価)、スペックイン(仕様確定)、オーダー(受注)の4段階に分けて管理しているという。現在、受注プロセス中の顧客21社向けに、アクチュエータ7種、モーター26種、コントローラー3種の開発協議が同時進行している。国内顧客1社はすでに量産プロトタイプ段階に入った。

投資計画も具体化した。2025~2029年に計1000億ウォンを投じ、このうち400億ウォン(約44億円)をヒューマノイド向けアクチュエータ事業に配分する。

分野別では、コントローラーへの投資を2025年9月に終え、年産50万個の生産能力を確保した。モーターは第1段階で50万個、第2段階で100万個へと能力を順次引き上げる。減速機でも大規模なライン投資を予定している。先月完成した第2工場は、ロボット専用の生産拠点として自律製造(AX)ファクトリーの構築を支えるとしている。

モーターとコントローラーの自社技術も強みとして打ち出した。Samhyunは、分割コア方式を採用したモーターについて、競合製品に比べて発熱を58%遅らせ、コギングトルクを75%低減できると説明した。コギングトルクが低いほど動作時の騒音や振動を抑えやすく、精密制御に有利だという。

コントローラーでは、国内で初めて自動車の安全基準であるA-SPICE C-Level 2を適用した。インピーダンス、位置、トルクの3つの制御モードに対応し、顧客要件に応じた運用が可能だとしている。

減速機では、遊星、ハーモニック、サイクロイドの3方式すべてを自社設計できる国内唯一の企業だと強調した。高価な解析ツール「Romax」を導入している点も、設計信頼性の裏付けとして挙げた。

市場見通しについては、2030年のヒューマノイド販売台数が3000万台に達すると予測する。1台当たり20~30個のアクチュエータが必要で、1個当たり単価が約100万ウォン(約11万円)水準であることを踏まえると、関連市場は急拡大するとの見方を示した。

同社は、2026年までは大量サンプリング段階の4万~6万台規模にとどまる一方、2027年からは8万個単位で需要が増え、2028年が本格成長の入り口になると見込む。

完成品市場に参入せず、部品供給に注力する理由については、顧客が求める製品や部品を柔軟に供給することが基本方針だと説明した。アクチュエータ単体に加え、モーター、減速機、コントローラーの個別販売も並行して進める。

事業構造の転換も進める。Samhyunによると、モビリティ部門の営業利益率は5%台にとどまる一方、防衛産業部門は15%前後で、ロボット部門はこれを上回る水準を見込む。

2028年には、防衛産業やロボットなど新規事業の売上高が既存のモビリティ事業を上回り、2030年にはロボット中心の事業構造へ再編されると予測した。現在、ロボットを除く受注残は1兆3000億ウォン(約1430億円)。防衛産業では補助動力装置(APU)、発射システム(APS)、整備(MRO)へと事業領域を広げている。

パク・ギウォン代表は「Samhyunは実際に大規模量産が可能なインフラと資本力を備えた企業だ」と述べた。「シンジュク第2・第3工場を中心とする大規模設備投資が、顧客からの受注に即応できるSamhyun独自の競争力になっている」と語った。

そのうえで「約30年にわたり蓄積してきたモビリティ駆動技術の資産と精密制御のノウハウが、今回のAXLON開発の土台になった」と付け加えた。

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