韓国政府は6日、湖南圏の半導体産業団地を光州軍空港の敷地に整備する方針を決めた。あわせて龍仁半導体クラスターの拡張も前倒しし、半導体景気による税収増を財源とする「未来対応基金」を新設する。大統領府内には関連事業を担う専従組織も置く。
大統領府は同日、官民合同の点検会議を開き、焦点となっていた湖南圏の用地選定を終えた。カン・フンシク大統領秘書室長は会議後のブリーフィングで、「光州軍空港の用地に湖南圏の半導体産業団地を造成することを決定した」と明らかにした。企業側が湖南圏の複数候補地の中で、光州軍空港を最適地として提示したという。
用地規模は約250万坪。政府は、空港用地の特性上、整地がすでに進んでおり、着工までの期間を大幅に短縮できる点を利点として挙げた。光州中心部やKTX駅に近く、人材確保がしやすいほか、従業員の居住環境も整えやすいとみている。道路、空港、港湾を結ぶ物流面の利便性も評価した。
龍仁半導体クラスターの拡張事業も加速する。政府は、当初計画していたファブ10基への投資を前倒しできるよう、用地補償や電力・用水の供給日程をできる限り短縮する方針だ。龍仁の一般産業団地が来年稼働する予定であることを踏まえ、後続の国家産業団地についても稼働時期を可能な限り前倒しし、世界的な半導体需要の増加に対応する。会議では、電力・用水といった中核インフラに加え、人材確保や住宅、交通、教育など定住環境の改善策も議論した。
財源面では、半導体景気による税収増を活用する。政府は5日の高位与党・政府協議会で、半導体分野の追加税収を財源とする「未来対応基金」の新設計画を公表した。3大メガプロジェクトの支援に加え、2030世代の住宅、起業、雇用支援にも充てる構想だ。3大メガプロジェクトは、半導体、AIデータセンター、フィジカルAIを指す。
イ・ジェミョン大統領は会議で、事業推進において「重要なのはスピードだ」と強調した。「龍仁産業団地はまだ速い方だと言われたが、用地確定から着工まで6年かかった。とても速いとは言えない」と述べ、行政手続きの遅れに懸念を示した。
そのうえで、手続きを順番通りに進める従来の慣行を改め、違法でない範囲で複数の手続きを並行して進めるよう求めた。用地取得を巡って抵抗がある場合には、協議取得と強制取得の手続きを同時に始め、環境影響評価も同一地域で既存の評価があればその結果を活用する考えを示した。電力や用水についても、ほかの手続きの完了を待たず先行して確保すべきだとした。
イ・ジェミョン大統領は「半導体産業分野で追加税収が大きく発生しているだけに、財政支援を含め、できる限りの対応を行う」と述べた。あわせて、相当の許認可権限を持つ地方政府の協力も要請した。全南・光州の議会が第1号条例として半導体投資企業に関する条例を制定したことにも触れ、謝意を示した。
プロジェクトを巡る一部の批判にも反論した。「一方では、実現可能だという前提で『なぜ自分たちの地域が外れたのか』と抗議し、他方では『実現不可能なイベントだ』と主張している」としたうえで、「どちらか一つにしてほしい。全面的な協力が難しいとしても、大きな妨げにはならないでほしい」と述べた。
会議には、ク・ユンチョル経済副首相兼財政経済部長官、キム・ジョングァン産業通商部長官ら関係閣僚のほか、企業側からSamsung Electronicsのキム・ヨングァン社長、SK hynixのクァク・ノジョン代表取締役が出席した。大統領府は、メガプロジェクトを担当する組織を大統領府内に設置し、大統領主宰の官民合同点検会議を毎月定例で開く方針だ。