日本のクレジットカード決済代行会社Zentoushin(全東信)の破産を受け、一部業種で決済インフラの空白を懸念する声が広がっている。こうした中、実業家の堀江貴文氏が代替的な決済手段としてBitcoin(BTC)と円連動ステーブルコインJPYCを挙げ、関心を集めている。
ブロックチェーンメディアCoinPostによると、堀江貴文氏は8日、自身のYouTube動画でZentoushinの破産に言及し、「もうBitcoinかJPYCに行くべきではないか」と述べた。既存のカード決済網に依存しない手段の必要性を示した発言として受け止められている。
背景にあるのは、Zentoushinが従来、一般の金融機関では審査が通りにくいとされる遊興業や風俗業などにもクレジットカード決済サービスを提供してきたとされる点だ。破産により、既存加盟店が他の決済代行会社へ移行する際、審査を通過できない可能性が指摘されている。
堀江氏は代替候補としてBTCとJPYCを挙げる一方で、「JPYCも審査をするのかは分からない」とも述べた。既存の金融インフラで受け皿が限られる領域に対し、補完的な選択肢となり得るかという問題提起といえる。
この発言を受け、円建てステーブルコインJPYCにも改めて注目が集まっている。JPYCは現在、決済用途の拡大に向けた実証事業を進めている。
決済ソリューション企業のINSPAYはJPYC、HashPort、Cheerio Corporationと共同で、1日から京都市内のCheerioの自動販売機でJPYC決済の実証実験を始めた。ステーブルコインを少額決済に活用できるかを検証する取り組みだ。
業界では、今回のZentoushinの破産を通じて、既存金融機関の審査体制の限界が改めて浮き彫りになったとの見方も出ている。従来の金融機関の審査に乗りにくい業種がある中、デジタル資産ベースの決済が補完的な役割を担えるかが論点になっている。
もっとも、JPYCについても加盟店審査や規制、導入コストなどの課題は残る。短期間で既存の決済網を置き換えるのは難しいとの見方は根強い。
堀江氏はWebX 2026で、JPYCの最高経営責任者(CEO)であるオカベ・ノリタカ氏と特別対談を行う予定だ。テーマは「AIが金を使う日」。AI時代の自動決済やデジタル資産の活用策を議論するとしている。
Zentoushinの破産をきっかけに浮上した今回の議論は、1社の経営破綻にとどまらず、既存の金融インフラが受け入れにくい領域でBitcoinやステーブルコインが現実的な代替手段になり得るのかを問うものでもある。JPYCが実証段階を超え、実店舗での利用先をどこまで広げられるかが今後の焦点となりそうだ。