GoogleのGeminiに搭載されたカスタム機能「Gems」が、同じ指示を繰り返す手間を減らす手段として注目されている。役割や好みをあらかじめ設定した用途別のアシスタントを用意でき、旅行計画や趣味の学習、作品推薦、コーディネート提案、音楽制作などに活用できるという。米TechRadarが7日(現地時間)に報じた。
Gemsは、OpenAIのカスタムGPTに近い機能だ。特定の役割やユーザーの好み、過去のやり取りを踏まえて応答し、新しい会話のたびに同じ前提を説明し直す負担を減らせる。用途ごとに専用アシスタントを作成し、必要に応じて使い分けるのが基本的な使い方となる。
活用例として紹介された「家族旅行プランナー」は、子どもの年齢、移動可能な距離、ベビーカー利用の有無、好みの行き先といった条件をあらかじめ反映し、週末の外出プラン作成に役立てるものだ。ディープリサーチ機能と組み合わせれば、その週末の営業状況や季節イベント、営業時間、入場料まで確認した上で日程を組めるという。
天気が雨予報の場合は、屋内の子ども向け博物館や屋内型の遊び場を中心にプランを組み替えることもできる。飲食店の待ち時間が長いことや、小さな子ども連れでは移動が難しいことを条件として追加すると、その後は手軽に利用できるカフェやピクニック向けスポットを優先して提案したとしている。
趣味向けの「ホビーコーチ」は、ギターや天体観測のように、再開するまでの心理的な負担が大きい活動を想定したものだ。ユーザーの現在のレベル、機材、目標、予定、学習スタイルを踏まえ、これまでの会話内容を引き継ぎながら提案を行う。
ギター練習では、難易度を段階的に上げるコード練習や楽曲の提案、数週間単位の目標設定に活用した。天体観測では、季節や月齢に応じて観測対象を変えながら提案を行ったという。
コンテンツ推薦向けの「映画・TVキュレーター」は、加入している動画配信サービス、好みのジャンル、視聴済みの作品、一緒に視聴する家族構成などを踏まえて推薦する。幼い子どもがいる家庭という条件を反映し、話題作を幅広く並べるのではなく、負担なく見やすいファミリー向け作品を中心に絞り込んだ。
さらに、「最近おすすめした作品は繰り返さない」「ユーザーの好みに合う理由も説明する」といった条件を加えることで、推薦の精度を高められるとしている。
画像を使った活用例もある。「コーデ計画表」は、普段のスタイルや好みの色、よく着る服装を踏まえ、写真を基にコーディネート案を作るものだ。日常の服装に加え、テーマパーティーやハロウィーン、旅行時の服装などについても、購入前に着用イメージを確認する用途に使えるという。
衣服やアクセサリー、ユーザー自身の写真をアップロードすれば、それらを基に実際のスタイリングに近いイメージを可視化できるとしている。
音楽生成ツールと組み合わせた例としては、「個人テーマ曲」も紹介された。最近Geminiに追加された音楽ツールを使い、シンプルなテーマからオリジナル曲を作成する。ユーザーが好む音楽スタイルや雰囲気を踏まえた上で、人やペット、場所、思い出に関する質問を重ね、楽曲制作につなげる仕組みだ。
TechRadarは、Gemsの特徴について、単に保存済みのプロンプトを再利用する仕組みではなく、役割の連続性を保ちながら使える点にあると説明した。作業の進め方や好みを引き継げるため、献立作成や旅行の荷造りのように、繰り返しの文脈が重要な作業にも応用しやすいとしている。
同じ指示を毎回入力せず、役割や好みを継続的に反映できる設計は、AIを単発のツールではなく、用途別の専用インターフェースとして使う試みとして注目される。
あわせてGeminiの公式Xでは、Gemsを使えばプロンプトの再利用や参照ファイルの追加を素早く行え、サイドパネルからGemを作成することで繰り返し作業をワンクリックで処理しやすくなると紹介している。