Bitcoin Suisseは、アブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)で金融サービス事業者としての認可を取得し、アラブ首長国連邦(UAE)で規制に準拠したデジタル資産サービスを展開する。認可はグループ子会社のBTCS Middle Eastに付与された。
Bitcoin Magazineが7日(現地時間)に報じた。これにより同社は、UAEで機関投資家およびプロ投資家を対象とした事業を本格化する。
今回の認可は、ADGMの規制当局である金融サービス規制庁(FSRA)との段階的な認可手続きを経て取得したもの。BTCS Middle Eastは今後、UAEの規制枠組みに沿ってデジタル資産関連サービスを提供する。
対象となるのは機関投資家とプロ投資家だ。提供サービスには、機関向けカストディ、承認済みデジタル資産の売買、デジタル資産のエクスポージャー管理、ヘッジ手段などが含まれる。顧客ごとに専任のリレーションシップマネジャーを配置する方針で、実物資産を裏付けとするトークン化資産(RWA)市場の拡大を見据えたアクセス支援も準備する。
中東事業は、BTCS Middle Eastの最高経営責任者(CEO)サイーダ・マイチェン氏が統括する。マイチェン氏は、金融サービス事業者としての認可取得について、同社の国際成長戦略における重要な節目だと位置付けた。
また、今回の認可は「10年以上かけて築いてきたインフラ、リスク管理の枠組み、顧客基盤の積み重ねの成果だ」と説明。UAEについては、世界でも特に活発なデジタル資産ハブの一つだと評価した。
今回の進出は、湾岸地域で事業拡大を進める暗号資産大手の流れとも重なる。ADGMやドバイで暗号資産関連の規制整備が進み、中東が規制に基づく事業拠点として存在感を高めているためだ。
Bitcoin Suisseは今回の認可取得により、スイス、リヒテンシュタイン、バミューダに続き、UAEを4つ目の事業基盤とした。
同社は今回の展開を、デジタル資産分野でグローバルな資産管理パートナーとなるための一段階と位置付ける。機関投資家のほか、デジタル資産財団、ファミリーオフィス、資産運用会社、富裕層に対し、取引、カストディ、ステーキング、貸付サービスを提供している。
Bitcoin Suisseは2013年にスイス・ツークで設立された。10年以上の事業実績を持ち、現在は37億ドル(約5550億円)相当の暗号資産をカストディする。ステーキング事業では世界4位規模としている。
アブダビでの認可取得は、Bitcoin Suisseにとって中東で規制下の事業展開を進める足掛かりとなる。機関投資家向けデジタル資産インフラの需要拡大が見込まれるなか、同社は規制準拠のカストディと取引サービスを軸に、UAEでの存在感を高めそうだ。