Anthropicは、有料契約者向けに提供しているAIモデル「Claude Fable 5」の無料開放期間を再延長し、7月13日16時まで利用できるようにした。米政府の輸出規制で実際の利用可能期間が大きく削られたことを踏まえた対応だ。ただ、週次利用上限のリセットは行われておらず、一部利用者からは不満の声が上がっている。
Anthropicは、終了予定だった「Claude Fable 5」のプロモーションを7月13日16時まで延長すると公表した。終了直前の7月7日に告知しており、有料契約者は追加料金なしで利用できる期間が延びた形だ。
「Claude Fable 5」は、一般向けに提供される最上位クラスのAIモデルと位置付けられている。6月の公開時には、米政府機関や一部企業向けの「Claude Mythos 5」にセキュリティ制限を適用したモデルとして紹介された。有料契約者は約1カ月間、追加料金なしで利用できる予定だったが、公開直後に米政府の輸出規制が発動され、サービスは一時停止した。
当時、米国の国家安全保障当局は、米国内外を問わず外国籍の従業員などを含む外国人全般に対し、「Claude Fable 5」と「Claude Mythos 5」を提供しないよう求める指針を示した。これにより、モデル提供は約18日間停止した。規制は7月1日に解除され、サービスも再開したが、実際の無料体験期間は約10日間にまで縮小していた。
今回の延長は、こうした空白期間を一部補う狙いがある。延長期間中、有料プラン利用者は週次利用上限の50%までを追加料金なしで「Claude Fable 5」に充てられる。無料枠を使い切った場合は、従来通り利用クレジットを購入し、従量課金で継続利用できる。
一方で、利用者の受け止めは分かれている。最も大きい不満は、延長の告知時期だ。終了直前までに利用枠を使い切った利用者が少なくなかったためで、英語圏のコミュニティでは「徹夜で上限まで使ったのに終了直前に延長が発表された」「土壇場での告知はやめてほしい」といった反応が広がった。これを皮肉るミーム画像も多く共有された。
日本の利用者からも、延長自体を歓迎する声がある一方で、不満も出ている。「ありがとう」「予想していなかった」といった反応に加え、「すでに上限まで使ってしまった」「先に利用上限をリセットしてほしい」といった要望が目立った。
こうした不満の背景には、Anthropicの週次利用上限の仕組みがある。利用枠はアカウントごとに設定された曜日・時刻にリセットされるため、すでに上限に達している利用者は、延長期間に入ってもリセットまで「Claude Fable 5」を再び使えない。場合によっては、最長で約1週間待つケースもある。
Anthropicは現時点で、利用上限をリセットするかどうかについて追加の説明を示していない。提供期間は延びたものの、実際にどれだけ使えるかは利用者ごとに大きく異なる状況だ。
APIの利用料金は従来通り。入力は100万トークン当たり10ドル、出力は100万トークン当たり50ドル。プロンプトキャッシュ機能を使う場合は、別途キャッシュ利用料が発生する。
今回の延長は、「Claude Fable 5」への需要の強さを改めて示した一方、提供期間を延ばすだけでは利用者の不満を解消しにくいことも浮き彫りにした。今後、Anthropicが週次利用上限のリセットや追加の補完策を打ち出すかが注目される。