FuriosaAIは7月8日、Equinixと連携し、ポルトガル・リスボンの「Equinix LS2」データセンターにAI推論アクセラレーター「RNGD(レネゲイド)」の評価環境を整備すると発表した。欧州企業やソブリンAIプロジェクト向けに、実際のAIモデルやワークロードを用いて性能と電力効率を検証できる環境を提供する。
今回の提携により、FuriosaAIは欧州での顧客支援体制も強化する。リスボンの拠点では、欧州企業やソブリンAIプロジェクトがRNGD上で大規模言語モデルやエージェンティックAIを実運用に近い形で検証できるよう支援する。
技術支援は、FuriosaAIが年初にリスボンに設立した現地法人のエンジニアが担う。モデル実装、ソフトウェアの適用、システム構成など、RNGDの評価・導入に必要な作業をサポートする。
LS2に配備するRNGDは、FuriosaAI独自のテンソル縮約プロセッサ(TCP)アーキテクチャをベースにしたデータセンター向けAI推論アクセラレーター。FuriosaAIは年初、メモリを多層に積層して処理性能を高める高帯域幅メモリ(HBM)ベースのAIアクセラレーターとしては、世界的にも珍しい量産実績を持つと説明している。
RNGDは、大規模言語モデルやエージェンティックAIの推論処理を高い電力効率で実行できることを特徴とする。GPUと比べて、インフラ導入や運用にかかる総所有コスト(TCO)を抑えられる点も強みだ。標準的な空冷式データセンター環境で導入でき、追加の冷却インフラ投資を必要としないとしている。
FuriosaAIは今週パリで開かれる「RAISE Summit 2026」で、RNGDと最新のソフトウェアスタックを公開する。Baek Jun-ho代表はCoreWeave、Supermicroなどとともに「Powering AI Infrastructure: Solving the 21st Century Manhattan Project」をテーマとするパネル討論に参加し、Kang Ji-hoon最高研究責任者(CRO)が基調講演を行う。
Baek代表は「欧州ではAIサービスの普及が加速する一方、電力や冷却インフラの制約から、効率的なAIインフラの整備が戦略課題として浮上している」とコメントした。その上で「Equinixとの協力を通じ、欧州企業やソブリンAIプロジェクトが実環境でRNGDの性能と経済性を検証し、より迅速にAIサービスを構築できるよう支援していく」と述べた。