Solana創業者のアナトリー・ヤコベンコ氏は7日、ビットコインだけが価値を持ち、それ以外のブロックチェーントークンは技術基盤にすぎないとする見方に反論した。ネットワークトークンは株式や債務とは異なる所有構造を持つ「真のトークン」だと主張している。
ブロックチェーンメディアのU.Todayによると、ヤコベンコ氏はX上で広がった議論に言及し、ネットワークトークンは株式や債務とは異なる性質を持つと説明した。
論点となっているのは、投資家がなぜレイヤー1ネットワークの基軸トークンを保有するのかという点だ。暗号資産市場の一部では、価値の保存手段として定着したのはビットコインだけで、他のトークンは技術基盤を構築しても価値の保存や複利的な収益構造を生み出せないとの見方が出ている。
これに対し、ヤコベンコ氏はこうした認識は誤りだと指摘した。従来の株式は法的権利を与えるにとどまり、政府の判断次第で容易に凍結され得る一方、インフラトークンは紙の上の収益約束ではなく、「実質的な数学的パワー」を提供するとの考えを示した。
さらに、ネットワーク上の権利は法的に強制できない半面、誰もがそのソフトウェアを実行できる限り奪われることもないと述べた。ヤコベンコ氏は「真のトークンは存在する。ネットワーク上の権利は、誰かにソフトウェアの実行を義務付けられないため強制はできないが、誰もが実行できる限り奪うこともできない」と説明した。
同氏が強調したのは、裁判所や国家権力に依存しない所有構造だ。トークン保有者が自ら経済的な保証を執行できるとし、ブロックチェーンそのものを価値の源泉と位置付けた。全員に同じルールが適用され、改ざんできない中立的なデジタル空間だからこそ、数百万人規模で資本を調整できるという。
こうした議論の背景には市場データもある。CoinMarketCapによると、Solana上の資産の時価総額は1957億1000万ドル。一方、ネイティブトークンのSOLは約81.67ドルで推移している。ネットワーク活動が記録的な水準にあるにもかかわらず、トークン価格に十分反映されていないとの見方が懐疑論を強めている。
この乖離を受け、Solanaは議論にとどまらず構造面の見直しも進めている。現在はトークノミクスの変更を検討しており、基本手数料のバーンを盛り込むSIMD-547などを通じて、トークンの価値保全機能を強化する構想だ。
最終的な焦点は、ブロックチェーンインフラの有用性がトークン価値にどう結び付くのかにある。Solanaはネットワークの利用と資本蓄積の接点を強める仕組みを加えることで、ヤコベンコ氏が語るトークンの「数学的パワー」を経済的なロジックとして示そうとしている。ビットコイン以外にも価値を蓄積できるトークンが存在し得るのか、市場でその妥当性が問われることになる。