Anthropicのダリオ・アモデイCEO(写真=Anthropic)

Anthropicは、第1四半期の売上高と利用量が前年同期比で80倍に拡大したと明らかにした。成長をけん引したのはコーディング支援サービス「Claude Code」だ。一方で、急増する需要に対応するための運用体制やインフラ整備が新たな課題として浮上している。

Business Insiderが6日付で報じた内容によると、同社のダリオ・アモデイCEOは、サンフランシスコで開催された開発者イベント「Code with Claude」でこうした状況を説明した。

アモデイ氏は成長の速さについて、冗談交じりに「今のような超高速の成長は負担が大きすぎる。むしろ10倍程度の成長の方が望ましいかもしれない」と語った。需要の拡大に対し、それを支える運用やインフラの負荷も急速に膨らんでいることをにじませた格好だ。

成長の中心にあるのは、コーディングに特化した「Claude Code」だ。Anthropicによると、この数カ月で同サービスの普及が加速し、売上の押し上げ要因になった。アモデイ氏は、ソフトウェアエンジニアは新しいツールを最も早く受け入れる層の1つだとした上で、市場でコーディング分野への関心が高まっている背景もこうした流れにあると説明した。

その一方で、こうした動きは開発分野にとどまらないとの見方も示した。現在起きている変化は、今後テクノロジーがより幅広い産業へ浸透していく前触れだと述べた。

Anthropicも、需要増を見据えて計算資源の確保を急いでいる。同社は同日、SpaceXの「Colossus One」データセンターで新たに300メガワット(MW)の計算資源を確保したと発表した。追加のチップ確保により、Claude Codeの処理能力拡大につなげる考えだ。

同社のアミ・ボラ最高製品責任者(CPO)は、新たに確保したチップによって、開発者によるClaude Codeの日次ベースの処理量拡大に対応できるようになると説明した。

こうした動きは、生成AI市場の競争激化とも連動している。AnthropicはOpenAI出身者が設立した企業だが、生成AIの初期普及局面では、ChatGPTを擁するOpenAIに後れを取っていたとの見方もあった。ただ、2025年末にClaude Codeが開発者の間で急速に支持を広げ、流れが変わった。その後は売上の伸びも一段と加速したという。

足元では、AnthropicとOpenAIが開発者や企業向けAI市場で直接競合している。両社とも大規模モデルの学習と推論に多額のコストを要するため、安定した顧客基盤の拡大が経営上の重要課題になっている。このため、コーディングAIは単なる機能競争の対象ではなく、実利用と収益を短期間で押し上げる分野として重要性を増している。

アモデイ氏はこれまでも、AIの普及スピードと波及力に強い警鐘を鳴らしてきたことで知られる。2025年3月には、事実上あらゆるコードが1年以内にAIによって書かれ得るとの見通しを示していた。今回のイベントでも、コーディング分野での急速な導入が今後さらに広い産業へ波及し得るとの従来の見方を改めて示した。

Anthropicは7日もサンフランシスコで開発者向けオフラインイベントを続ける予定だ。Claude Codeの成長を実利用時間の拡大と計算資源の確保にどう結びつけるかが、今後の競争のカギとなりそうだ。

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