写真=Reve AI

人工知能(AI)需要の拡大を背景に、メモリー半導体大手の収益力が世界でも突出してきた。Samsung Electronics、SK hynix、米Micron Technologyは純利益ベースで世界上位に浮上する見通しで、Samsung ElectronicsはNVIDIAに次ぐ2位に入る可能性もある。

米Wall Street Journal(WSJ)によると、足元の収益トレンドが続けば、Samsung ElectronicsはAlphabet、Microsoft、Appleなど米大手テック企業を上回り、純利益で世界2位となる見通しだ。SK hynixは6位、Micron Technologyは9位に入るとみられている。前年はメモリー企業が純利益ランキングのトップ10に入っていなかったが、今年は構図が一変した。

Samsung Electronics、SK hynix、Micron Technologyの3社合計の今年の純利益は、3500億ドルに達すると予想されている。

Samsung Electronicsはメモリー市況の改善を追い風に、1~3月期の純利益が300億ドルを超えた。全体利益の94%を半導体部門が占め、前四半期から大きく改善した。年間ベースでも過去最高に迫る水準だ。AIサービスの収益化に対する懸念がくすぶる一方で、WSJはインフラを支える企業が利益を取り込んでいると伝えた。

メモリー各社の業績拡大には、当面鈍化の兆しが見えない。WSJは、Samsung Electronicsの受注状況を踏まえると、供給が需要に追いつかない状況が来年さらに深刻化する可能性があると報じた。

供給不足を背景に、メモリー価格も上昇が続いている。市場調査会社TrendForceによると、1~3月期のメモリー価格は前四半期比でほぼ100%上昇し、事前予想のほぼ2倍に達した。好調な市況を受けて株価も上昇し、年初来ではSamsung Electronicsが72%高、SK hynixが90%高、Micron Technologyが65%高となった。

AI需要の中身が変化していることも、メモリー各社には追い風だ。ここ数年、各社はNVIDIAのGPUと組み合わせ、大規模言語モデル(LLM)の学習に使われるHBM(高帯域幅メモリー)の増産に注力してきた。HBMはDRAMを多層に積層した高性能メモリーだ。

足元では、LLMの学習に加え、学習済みモデルを実運用で使う推論処理でもメモリー需要が急増している。推論需要の拡大が汎用サーバー向け需要を押し上げ、Samsung Electronics、SK hynix、Micron Technologyの純利益をさらに押し上げているとWSJは伝えている。

メモリーは大きくDRAMとNANDフラッシュに分かれる。DRAMはサーバーやPCで高速処理を支える一時記憶向け、NANDフラッシュはスマートフォンなどの保存用途で使われる。

フラッシュメモリー大手にもAI特需の波が及んでいる。Reutersによると、SanDiskは会計年度第3四半期に市場予想を上回る業績を示した。AIの普及で大容量ストレージ需要が急増し、高性能エンタープライズSSDの需要が伸びているためだ。AIシステムが求める保存容量の拡大でフラッシュメモリーチップの需要が供給を上回り、SanDiskにとっては値上げしやすい事業環境になっているという。

SanDiskは第4四半期についても強気の見通しを示した。売上高は77億5000万~82億5000万ドルを見込み、アナリスト予想平均の64億9000万ドルを大きく上回った。デイビッド・ゲッケラーCEOは「今四半期はSanDiskにとって根本的な転換点だ。技術リーダーシップを土台に、データセンターを中心とする高付加価値市場へ事業構造を転換している」と述べた。

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