経済学者でビットコイン(BTC)に懐疑的なピーター・シフ氏が、Strategyの優先株「STRC」の仕組みに強い疑問を示した。配当の原資を巡る不透明さを問題視し、同社の財務戦略を「ポンジ」と批判している。
ブロックチェーンメディアのBeInCryptoによると、シフ氏は6日(現地時間)、Strategyを「純粋なポンジ」、ビットコインを「混合型のピラミッド」と表現した。今回の論点は、STRCの配当をどの財源で維持するのかという点にある。
シフ氏が問題視したのは、マイケル・セイラー氏が最近、STRCの配当支払いに必要であれば保有するビットコインを売却する可能性に言及したことだ。シフ氏は、こうした発言について、投資家の信認をつなぎとめるためのものだとの見方を示した。
シフ氏はX(旧Twitter)への投稿で、セイラー氏の発言は「ポンジをより長く続けるために必要な種類の約束だ」と主張。その上で、実際にその局面が訪れれば、ビットコインを売って市場に影響を与えるよりも、STRCの配当を停止し、優先株価格の下落を容認する可能性が高いと指摘した。
論点の中心にあるのは、セイラー氏がSTRC投資家の保護よりも、同社のビットコイン保有戦略の維持を優先するとの見方だ。シフ氏は、いざという場面ではビットコイン売却ではなく、配当停止によってSTRCが急落するシナリオを選ぶとの見解を示している。
この議論は、Strategyが2026年第1四半期決算で大幅な損失を計上した後、さらに注目を集めている。業績悪化を受け、市場では、複数の優先株に伴う配当負担を同社が今後どのように賄うのかに関心が集まっている。
Strategyはここ数年、複数種類の優先株を発行してきた。各商品には継続的な配当支払いが伴うため、構造を維持するには新たな資本を継続して確保できるかが焦点となる。
シフ氏はこれまでも、Strategyのビットコイン蓄積モデルについて、初期保有者に有利な一方で新規投資家に負担を転嫁する仕組みだと批判してきた。今回のSTRCを巡る指摘も、その延長線上にある。
市場では、こうした批判がSTRC単体にとどまらず、優先株を活用した財務戦略全体への懸念に広がる可能性も意識されている。STRCの配当が一度でも止まれば、同商品の価格が揺らぐだけでなく、類似の手法を採る他社のビットコイン保有モデルにも信認低下が波及しかねないためだ。
とりわけ優先株は、配当継続への期待が価格形成の前提となりやすい。実際に配当が止まらなくとも、その可能性が意識されるだけで再評価圧力が強まる余地がある。
今後数四半期の焦点は、Strategyが厳しいマクロ環境の下でもSTRCの配当を維持できるかどうかだ。配当原資の確保に不安が広がれば、シフ氏が示した配当停止シナリオが改めて市場で意識される可能性がある。一方で、配当が維持されれば、STRCを巡る「ポンジ」との批判も改めて検証されることになりそうだ。