写真=Kraken

暗号資産取引所のKrakenは、送金大手MoneyGramと提携し、保有する暗号資産を現地通貨に換金して現金で受け取れるサービスを開始する。取引所の中にとどまりがちだったデジタル資産を既存の金融インフラにつなぎ、実利用の拡大を図る。

Cryptopolitanが5月6日(現地時間)に報じた。今回の提携により、Krakenの利用者はMoneyGramのグローバルな店舗網を通じて、暗号資産を現地通貨に換えたうえで現金を受け取れるようになる。

サービスはまず米国で始め、その後は欧州、中南米、アフリカ、アジア太平洋地域の一部へ広げる計画だ。対象は100を超える国・地域に及び、数百種類の現地通貨に対応する。

MoneyGramは世界約200の国・地域で、約50万カ所の拠点網を展開しているという。

両社は役割分担も明らかにした。Krakenが顧客獲得と本人確認(KYC)を担い、MoneyGramが規制下の決済システムを基盤に実際の現金の払い出しを担当する。

両社は現金受け取りにとどまらず、機能拡張も進める方針だ。今後は、Krakenのグローバル送金アプリ「Krak」に、現地銀行口座への入金機能や従来型の送金機能を追加する計画としている。

今回の発表は、Krakenの新規株式公開(IPO)準備と重なる。経営陣は最近、米フロリダ州マイアミで開かれた「Consensus Miami 2026」で、IPOに向けた準備は8割まで進んでいると説明した。

同社は昨年11月、米証券取引委員会(SEC)に上場関連書類を非公開で提出したが、今年3月には市場環境の悪化を受けて上場計画をいったん見合わせた。共同CEOのアルジュン・セティは同イベントで「われわれは準備ができている」と述べ、コスト削減や自動化の改善を主な成果に挙げた。

Krakenは足元で、取引所事業にとどまらず総合金融プラットフォームへの事業拡大を加速している。過去1年間に先物取引所のNinjaTraderと、デリバティブプラットフォームのBitnomialを買収したのも、この戦略の一環とみられる。

狙いは、現物取引手数料への依存を抑え、デリバティブと金融サービスの比重を高めることにある。

一方、米ワシントンではステーブルコイン規制を巡る議論も続いている。上院は最近、ステーブルコインの報酬プログラムを巡る論点を調整するため、超党派の合意案の取りまとめを進めている。

焦点の一つは、暗号資産企業がステーブルコイン保有者に年利回りの形で報酬を提供できるかどうかだ。銀行業界は、こうした仕組みが実質的に預金に近い機能を持つと反発している。一方、暗号資産業界は、伝統的金融が競争を妨げようとしていると主張している。

市場では、KrakenによるMoneyGramとの提携とIPO準備の進展は、暗号資産企業による制度圏への接近と実利用拡大を同時に示す動きだとの見方が出ている。

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