米海軍向け無人空中給油機「MQ-25A スティングレイ」が初飛行を実施した。米イリノイ州南部上空で約2時間飛行し、離陸から着陸までの自律運用を検証した。TechRadarが5月6日(現地時間)に報じた。
今回の試験では、MQ-25Aが事前に設定した任務計画に基づき、離陸、飛行、着陸までを自律的に実行した。統制は無人空母航空任務統制システム「MD-5」の地上管制所を通じて行った。
操縦要員は飛行前に航路や経由地点を設定し、飛行中は機体の状態を監視した。必要に応じて任務の中断や調整にも対応できる運用とした。
任務開始後は、推進、誘導、各種サブシステム、飛行制御を機体側で自律処理した。米海軍は、自律化を進めつつ、人による監督を維持する運用を想定している。
Boeing Air Dominanceの副社長兼ゼネラルマネージャーを務めるダン・ギリオン氏は、今回の飛行について、MQ-25A T1試作機で得た知見を基に実施したものだと説明した。そのうえで、プログラムの成熟度を高める成果になったとの認識を示した。
MQ-25Aは、現在F/A-18 スーパーホーネットが担っている空中給油任務を代替する機体として設計された。これにより、スーパーホーネットを本来の打撃・戦闘任務に振り向けられるようになる。
米海軍の無人航空・打撃兵器プログラム責任者であるトニー・ロシ少将は、MQ-25Aについて、空母運用に無人空中給油を統合するための第一歩になると位置付けた。
これに先立ち、MQ-25A T1試作機は概念実証の一環として約125時間の飛行を重ね、今回の試験に向けた基盤を整えていた。今回はRolls-Royce製「AE 3007N」エンジンと地上管制システムの連携も確認した。
MQ-25Aは今後、ミッドアメリカ・セントルイス空港で追加の試験飛行を実施する予定。その後、メリーランド州のパタクセントリバー海軍航空基地に移動し、空母適格飛行に向けた準備に入る。
今回の初飛行は、米海軍が空中給油任務を無人機へ移行し、既存戦闘機の役割を再編する構想が、実運用に向けて前進したことを示している。