ビットコインのイメージ写真(写真=Shutterstock)

世界保健機関(WHO)がクルーズ船内でのハンタウイルス集団感染を確認し、暗号資産市場で警戒感が広がっている。市場では現時点で過度な動揺は限定的だが、追加の死亡例や人から人への感染が確認されれば、リスク資産全般のボラティリティが高まる可能性があるとの見方が出ている。

ブロックチェーン関連メディアのBeInCryptoが6日(現地時間)に報じたところによると、WHOはクルーズ船「MV Hondius」でハンタウイルス感染者7人を確認し、このうち3人が死亡、1人が重篤な状態にあると明らかにした。WHOは全体的なリスク評価を低位に据え置く一方、船内のような濃厚接触環境では限定的な人から人への感染の可能性を排除していない。

ハンタウイルスは、感染したげっ歯類の尿や排せつ物、唾液などを介して広がる重篤なウイルス性疾患とされる。米州の一部の型では致死率が最大50%に達する可能性がある一方、承認済みのワクチンや特異的な治療薬はない。もっとも、WHOは現時点で陸上の地域社会への拡大を示す兆候は確認されていないと説明している。

市場参加者が神経質になっている背景には、新型コロナウイルス禍の初期局面を連想させる点がある。WHOが2020年3月11日にパンデミックを宣言した当時、世界の金融市場は急速にリスク回避に傾き、ビットコインは「ブラックサーズデー」と呼ばれる急落局面で短期間に価値の半分超を失った。価格は約4000ドルまで下落し、暗号資産市場全体の時価総額も数日で半減した。

当時は、ビットコインが「デジタルゴールド」として機能しなかったとの見方も広がった。投資家が現金確保を優先して幅広い資産を売却し、ビットコインにも流動性確保を目的とした売りが集中したためだ。一方で、その後の戻りは速く、急落から約1カ月半で下落分の大半を取り戻した。

もっとも、現在の市場構造は2020年当時とは異なる。ビットコインは、企業の財務資産への組み入れ拡大や現物ETFの承認、機関投資家マネーの流入を通じて、金融市場での位置付けを大きく変えてきた。このため、仮に同様のショックが起きたとしても、下落率や回復ペースは前回とは異なる可能性があるとの見方もある。

足元の市場反応は限定的だ。一部のトレーダーは感染拡大の可能性を警戒しているものの、ハンタウイルスが新型コロナ級の世界的ショックに発展する可能性は低いとみる向きも少なくない。市場では、疾病そのものよりも、感染拡大の範囲と保健当局の対応スピードが相場を左右するとの分析が出ている。

専門家の間では、感染がクルーズ船内にとどまるのであれば、市場への影響は短期的な不安にとどまる可能性が高いとの見方が多い。一方、追加の死亡例や陸上での感染の兆候が確認されれば、ビットコインを含むリスク資産全般で再び値動きが荒くなる可能性がある。

キーワード

#WHO #ハンタウイルス #ビットコイン #暗号資産 #リスク資産 #現物ETF
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.