ビットコインは約3カ月ぶりに8万1000ドル台を回復した。ただ、先物やオプション市場の指標には強気一辺倒とは言いにくい動きが残る。オンチェーン指標も鈍い一方、米上場の現物ETFには資金流入が続いており、相場を下支えしている。
Cointelegraphによると、ビットコインは6日までの1週間で約7%上昇し、8万2000ドル台の回復を試した。だが、先物・オプション市場の動向を見る限り、投資家の慎重姿勢はなお根強い。
先物市場では、ビットコインの月次先物が現物価格に対して年率1%前後のプレミアムで取引された。一般に中立的な水準は4~8%とされており、足元の水準はこれを大きく下回る。
こうした慎重な地合いは、ビットコインが9万ドル近辺で推移していた1月末から続いている。今回の反発局面でも、市場全体が明確な強気に傾いたとは言い難い。
オプション市場でも同様の傾向が見られた。プロ投資家が下落リスクを強く意識する局面で上昇しやすいデルタスキューは、中立の目安とされる6%に近づいたものの、なお弱気寄りの水準にとどまった。
これは、大口投資家やマーケットメーカーが急落リスクを強く織り込んでいるわけではない半面、強気派の確信も広がっていないことを示している。
マクロ環境は強弱が交錯している。ブレント原油は1バレル110ドル近辺で推移し、インフレ懸念が意識された。ユーロ圏国債を巡っても、投資家がより高い利回りを求める動きが見られた。
一方で、同日にNasdaq100指数は過去最高値を更新した。リスク資産選好が維持される中、ビットコインもその流れの恩恵を一部受けた可能性がある。
課題として残るのはオンチェーン指標の弱さだ。ビットコインの1日当たりのネットワーク送金額は、3カ月前に比べ54%減の41億ドルに縮小した。送金件数も約5年ぶりの低水準近辺まで落ち込んだ。
ビットコイン価格がオンチェーン活動だけで決まるわけではない。ただ、この指標は個人投資家の関心や利用の広がりを測る代理指標とされる。足元の価格反発とは対照的に、小口需要の弱さを示すサインと受け止められる。
市場では、Strategyによる買い入れ停止を一時的な重しとみる向きもあった。マイケル・セイラー氏が率いる同社は、決算発表を控えてビットコインの買い増しを一時停止した。
同社は直前の4週間、積極的な買いを続けていた。市場では、ビットコインの時価評価会計の影響で四半期純損失となる可能性も意識されている。ただ、この買い停止が市場に必要以上の不安を与えた可能性があるとの見方も出ている。
その一方で、機関投資家の資金フローは改善した。米上場のビットコイン現物ETFには、先週金曜から月曜にかけて11億6000万ドルが純流入した。
マクロ減速への懸念やオンチェーン指標の低迷がデリバティブ市場のセンチメントを抑える中でも、機関投資家の需要は持ち直していることを示している。
今後の焦点は、デリバティブ市場のポジション変化だ。足元のように、強いレバレッジを伴う上昇期待が乏しい状況は短期的な重荷になり得る。一方で、価格がもう一段上昇すれば、売りポジションの清算が相場の押し上げ要因に転じる可能性もある。
市場が8万1000ドル台への定着を経て8万2000ドル台の突破を試す局面では、現物ETFへの資金流入が続くか、先物プレミアムが中立水準まで持ち直すかが次の分岐点となりそうだ。