SpaceXの上場を受け、Blue OriginやSierra Space、Relativity Space、Axiom Space、Stoke Spaceといった非上場の宇宙企業株に投資家の関心が広がっている。ただ、個人投資家がこれらの銘柄に直接投資するハードルはなお高い。
ブロックチェーン系メディアのCryptopolitanが5日(現地時間)に報じたところによると、2026年時点でこうした非上場株を購入するには、公認投資家の資格に加え、高額な最低投資額や長い取引期間を受け入れる必要がある。
SpaceXが上場したからといって、他の宇宙企業の未公開株も同じように容易に買えるわけではない。米国では、こうした非上場株は米証券法上の「制限証券」に分類される。
売買の中心となるのは、Forge Global、Nasdaq Private Market、Hive、EquityZenなどの二次市場プラットフォームだ。従業員や創業者、初期投資家、ベンチャーキャピタルが保有する株式を、公認投資家や機関投資家に譲渡する形が一般的とされる。
米国の個人投資家が参加するには、居住用不動産を除く純資産が100万ドル以上、過去2年間の年収が20万ドル以上、またはSeries 7、65、82のいずれかの資格を満たす必要がある。
欧州連合(EU)では、50万ユーロ以上のポートフォリオ、直近4四半期における高額取引の実績、金融分野で1年以上の職歴の3条件のうち、2つを満たすことが求められる。
非上場株の二次市場では、価格形成の仕組みも上場株とは異なる。画面に表示される数値は確定価格ではなく、買い手側の提示価格や気配値に近い。
背景には、取引量が少なく継続的な価格形成が難しいことに加え、価格が相対交渉で決まるという事情がある。
プラットフォームごとに仕組みも異なる。Hiveはリアルタイムの板取引に近い方式を採用し、最低注文額は2万5000ドル。
Forge Globalは主に機関投資家向けに10万ドル以上の大型取引を扱い、手数料は2〜5%程度という。EquityZenは、公認投資家の注文を特別目的会社(SPV)にまとめる形で仲介し、取引規模は5000〜1万ドル程度とされる。
Nasdaq Private Marketは、発行体主導の流動性プログラムに適した仕組みとされる。
企業別に見ると、ジェフ・ベゾス氏が設立したBlue Originは2026年9月時点でも非上場のままだ。7月8日時点では、直近100億ドルの資金調達を背景に企業価値は1300億ドルと評価され、Forge Globalでは1400億ドル水準の買い気配が示された。
Sierra Spaceは2026年までに22億9000万ドルを調達した。3月のSeries C資金調達を踏まえた企業価値は80億ドルとされた。
Relativity Spaceは累計16億ドルを調達。8月14日時点で、Nasdaq Private Marketにおける買い気配は1株6.47ドルだった。
Axiom Spaceは顧客契約で22億ドルを確保し、企業価値は約25億ドルと集計された。
Stoke Spaceは8月13日時点で直近10億ドルを調達し、企業価値は90億ドルと評価された。8月14日時点の気配値は1株50.07ドルだった。
取引成立までに要する期間は通常30〜90日。一部の案件では、会社側が優先買取権を行使するかどうかによって、最大300日程度に及ぶ可能性もある。
会社側は、成立前の取引を差し止めたり、自社株を買い戻したりすることもある。従業員保有株の売却には、取締役会の承認に加え、会社が定める売却可能期間や年間の売却回数制限が課される。
コスト負担も軽くない。最低投資額は、個人向けファンドで2500ドルから、大型取引では10万ドル以上まで幅がある。
取引手数料に加え、成功報酬として10〜20%が発生する場合もある。配当はなく、上場まで資金が長期間拘束される可能性もある。
SpaceXの上場で投資家の関心は一段と高まったが、他の非上場宇宙企業が同様に上場へ進むとは限らない。