Appleが9日に発表するiPhone18 ProとiPhone18 Pro Maxについて、最大20%の値上げが実施される可能性が出てきた。AIデータセンターの拡大を背景にメモリ供給の逼迫が続いており、スマートフォンの主要部材であるメモリのコスト上昇が価格に影響するとの見方が強まっている。
4日付のCryptopolitan報道によると、市場調査会社TrendForceは、iPhone18 Pro向けのメモリコスト上昇を受け、Appleが約2年ぶりに本格的な価格改定に踏み切る可能性があると予測した。
最大のコスト要因はメモリだ。TrendForceは、2026年7〜9月期の256GB版iPhone18 Proに搭載されるメモリのコストが、前年同期比で約400%上昇すると試算した。
ほかの部材でコスト削減を進めても、メモリ価格の上昇分をすべて吸収するのは難しいとの分析も示した。256GB版Proモデルの部品コスト全体も、前年同期比で約38%上昇したと推定している。
Appleがコスト増の一部を自社で吸収する余地はあるものの、急騰した部材コストを利益率の圧縮だけで賄うのは難しいというのがTrendForceの見方だ。
値上げ幅の想定も見直された。TrendForceは6月時点でiPhone18 Proの値上げ率を14〜18%と見込んでいたが、今回は10〜20%へと予想幅を修正した。Appleの正式な価格は、9日の新製品発表イベントで明らかになる見通しだ。
値上げの可能性はProモデルにとどまらない。TrendForceは、2027年1〜3月期の発売が見込まれる標準モデルのiPhone18についても、10〜20%程度の値上げ影響が及ぶ可能性があるとみている。上位モデル、標準モデルともに、メモリとストレージのコスト上昇による原価負担を避けにくいという。
今回の新製品群の中で、最も高額になると見込まれているのは初の折りたたみiPhoneだ。iPhone18 Foldは、発売時に「iPhone Ultra」ブランドを採用する可能性も取り沙汰されており、価格は2099〜2299ドルからと予想されている。
最大容量モデルでは、価格が3000ドルを超える可能性もある。TrendForceは、Appleがこの価格帯を今後の折りたたみiPhoneの価格設定の基準に据える可能性があると分析した。
一方、折りたたみiPhoneの初期供給は限られる可能性がある。TrendForceは、2026年の世界スマートフォン市場に占める折りたたみ端末の比率を約2%と予測した。iPhone18 Foldについても初期生産量と在庫は限定的となり、Appleは新たなフォームファクターを打ち出しながらも、供給規模は慎重に管理する可能性があるとしている。
メモリ価格上昇の背景には、AI産業の急成長がある。JPモルガンのグローバルリサーチは、2026年にDRAM価格が400%以上上昇する可能性を示した。大手クラウド事業者が長期供給契約を通じてメモリを先押さえし、スマートフォンやPCなどコンシューマー機器メーカーによる残る供給枠の争奪が続いているという。
メモリ価格の上昇は、すでにApple製品の価格にも影響を及ぼしている。Appleは今年、iPadとMacBookを値上げしており、その主因としてメモリとストレージのコスト上昇を挙げている。
供給網の多角化を探る動きも出ている。Appleは、Samsung Electronics、SK hynix、Micronを中心とするメモリ調達網を広げるため、中国のChangXin Memory Technologies(CXMT)からのDRAM調達を検討していると報じられている。
ハードウェア原価の上昇は、Appleだけの問題ではない。Amazonも、メモリ部材コストの上昇を理由に、AIスピーカー「Echo Dot」の価格を49.99ドルから79.99ドルへ60%引き上げた。
Appleは、原価上昇への対応を単純な製品値上げだけに頼るのではなく、収益性の高いサービス事業の拡大も進めるとみられる。TrendForceは、全社ベースの収益性を維持するため、Apple Intelligence関連のクラウドサービスやソフトウェアサブスクリプションの収益寄与を高める可能性があると分析した。
9日に発表されるiPhone18シリーズの価格は、世界的なメモリ高騰がプレミアムスマートフォン市場にどの程度波及しているかを示す材料となりそうだ。部材コストの上昇分を消費者価格にどこまで転嫁するのかが、今後のプレミアム市場の価格戦略を占ううえでの焦点となる。