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Amazon Web Services(AWS)は3日、日米間を結ぶ新たな太平洋海底ケーブル「Sta'O'Nuk」の計画を発表した。20ペアの光ファイバーで総容量は420Tbpsとし、2029年の稼働を目指す。

今回の計画は、大容量化にとどまらず、陸揚げ拠点の分散によって障害耐性を高める点に特徴がある。日米間の海底ケーブルは現在25〜30本規模とされるが、米国側はカリフォルニア州とオレゴン州沿岸、日本側は千葉県と三重県・志摩半島沿岸に陸揚げ拠点が集中している。

AWSは、こうした地理的集中が、地震などの自然災害や船舶事故による損傷、漁業との干渉、地政学リスクに対する脆弱性につながるとみて、新たなルート設計に乗り出した。

Sta'O'Nukでは、米国側の陸揚げ拠点として、従来の主要拠点ではなくワシントン州の新拠点を活用する計画だ。日本側も特定の1カ所に集約せず、複数の陸揚げ拠点を使う方針としている。これにより、物理的な単一障害点の低減を図る。

セキュリティ面では、多層構造の保護設計を採用する。通信はレイヤー1で量子暗号技術、レイヤー2でMACsec、レイヤー4でTLS/SSLまたはQUICを適用し、複数層の暗号化を組み合わせて海底通信区間の安全性を高める。

陸揚げ区間の施工にもリスク低減策を盛り込む。各陸揚げ拠点では水平掘削を用い、浅海域で海岸の下を通す形でケーブルを埋設する。物理層は複数経路で構成し、障害が単一地点に集中しにくい設計とする。あわせて、陸揚げ拠点への立ち入りを限定された人員に絞り、物理セキュリティも強化する。

プロジェクト名には地域との協力関係も反映した。Sta'O'Nukは、米国側の陸揚げ拠点が設置されるワシントン州沿岸で、米政府が認定する先住民の主権国家、キノールト・インディアン・ネーションの協力の下で進められている。名称は先住民言語で「稲妻の蛇」を意味する表現に由来し、AWSは先住民の文化的、言語的な意義を踏まえたものだと説明している。

この海底ケーブル計画は、日米間の既存通信網で陸揚げ拠点が特定地域に偏っているという課題の解消を狙うものだ。AWSは、新たな陸揚げ拠点の採用と多経路設計、多層暗号化を組み合わせることで、太平洋区間のレジリエンスとセキュリティの底上げを図る。

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