ビットコイン相場は反発したが、弱気相場終息にはなお慎重な見方が残る。写真=Shutterstock

ビットコインが足元で大きく反発しているものの、弱気相場が終わったとみるのは時期尚早だとの見方が出ている。Fidelity Digital Assetsは、過去のサイクルと似た値動きがみられる一方で、11月に再び下落し、新たな安値を付ける可能性も残ると分析した。

Bitcoin Magazineが3日(現地時間)に報じた。Fidelity Digital Assetsは、足元の上昇だけで相場反転を断定するのは難しいと指摘している。

ビットコインは8月中旬以降、反発基調を強めた。米財務省が国債買い戻しの規模を従来の2倍超に拡大すると明らかにした後、上げ幅が拡大した。直近では8万1639ドル前後で推移し、8月30日時点では約30%上昇している。

市場では、ビットコインがすでに弱気相場を脱したとの見方もある。ビットコインは昨年10月、12万6080ドルの過去最高値を記録した。ただ、Fidelity Digital Assetsは、過去サイクルとの単純比較だけで底打ちを判断するのは難しいとみている。

Fidelity Digital Assetsでリサーチ担当バイスプレジデントを務めるクリス・クイパー氏は、最近の値動きについて「ビットコインの足元のパフォーマンスを踏まえると、安値はすでに7月に付けた可能性がある」と述べた。その一方で、「11月、あるいはそれ以降に再び下落し、新たな安値を付ける可能性もある」とも指摘した。

同氏は、ビットコインのサイクルが歴史的に厳密な4年周期で繰り返されてきたわけではなく、市場のタイミングを測る材料としては限界があるとの見方も示した。

実際、ビットコインは6月から7月にかけて、ボラティリティが比較的落ち着いた状態で推移し、大半の期間で6万5000ドルを下回る水準で取引されていた。だが8月に入ると、米財務省の発表をきっかけに市場心理が変化した。市場では、通貨価値の希薄化を意識した「デベースメント・トレード」が改めて注目を集めた。

今後の相場を左右する要因としては、米議会で審議されている暗号資産の市場構造法案が挙がっている。クイパー氏は、投資家はClarity法案の審議の行方を注視すべきだと指摘した。同法案の支持者は、米国のデジタル資産エコシステムに、より明確な規制の枠組みを与え、継続的なイノベーションを後押しできると主張している。

政治面の動きも、足元の上昇を後押しした要因として挙げられる。ドナルド・トランプ米大統領は8月、ホワイトハウスで暗号資産業界の関係者と面会した後、議会に対して関連する市場構造法案の審議を進めるよう促した。トランプ大統領はこの法案草案を「非常に、非常に強力だ」と評価した。

同法案は、ビットコインやステーブルコインなどの暗号資産を規制当局がどの基準で扱うのかを明確にする枠組みを求める業界の要請とも重なる。今月予定される採決の結果は、ビットコイン相場だけでなく、米国におけるデジタル資産の制度整備の行方を占う材料になりそうだ。

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