スコット・ベッセント米財務長官(写真=Shutterstock)

スカイブリッジ・キャピタル創業者のアンソニー・スカラムーチ氏は9月3日、スコット・ベッセント米財務長官による世界的な債務膨張への警告について、「結果的にビットコインにとって極めて追い風のメッセージになった」との認識を示した。ベッセント氏の発言は、意図の有無にかかわらず、ビットコインを支持する論拠を浮き彫りにしたという。

ブロックチェーンメディアのU.Todayによると、スカラムーチ氏は同日、Xに「ベッセントがG20の場で、世界は債務に沈んでいると語った。ビットコインの論理は、まさにその一文に集約されている」と投稿した。さらに、「20人の財務担当者が今年最高のビットコイン広告を打ったが、誰一人そのつもりはなかった」とも書き込んだ。

背景にあるのは、8月31日から9月1日にかけて米ノースカロライナ州アシュビルで開かれた主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議でのベッセント氏の発言だ。ベッセント氏は国家債務問題を主要議題として取り上げ、「世界は債務に沈んでいる」と述べたとされる。

もっとも、同氏がビットコインを支持する文脈で発言したわけではない。各国が積み上げた巨額の政府債務に対しては、緊縮策や歳出削減一辺倒ではなく、経済成長を通じて負担を乗り越えるべきだとの立場を示した。主要国は、借り入れコストの上昇や高齢化、生産性の伸び悩みといった共通課題を抱える中で、債務の持続可能性をどう確保するか模索している。

G20の議長声明でも、債務の持続可能性を巡る課題に引き続き取り組む方針が盛り込まれた。これを受け市場では、過剰な政府債務や恒常的な財政赤字が長期的に法定通貨の購買力を損なう可能性がある、というビットコイン支持層の従来の主張が改めて意識された。

スカラムーチ氏は、世界の主要な財務当局者が集まる場で、米財務当局トップが世界的な債務問題の深刻さを公に認めた点に意味があるとみている。こうした発言は、ビットコインが当初から問題視してきた構造を改めて可視化した、というのが同氏の見立てだ。

市場価格も底堅く推移した。CoinGeckoによると、ビットコインは同日の取引時間中に8万1332ドル(約1220万円)まで上昇した。ただ、この値動きとベッセント氏の発言との直接的な因果関係は確認されていない。

今回のやり取りは、世界的な債務負担の拡大が続くなかで、ビットコインがどのような資産として位置付けられているかを改めて映し出した。当局が成長による債務圧縮を唱える一方、ビットコイン支持者は同じ現状認識そのものがデジタル資産の存在意義を強めると受け止めている。

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