Nasdaqは13日、米国3位の代替取引システム(ATS)運営会社LeveL Marketsの残余持ち分を取得することで最終合意したと明らかにした。取得額と取引完了時期は公表していない。常時稼働市場を見据えたグローバル市場インフラ戦略の一環として、ダークプールや流動性ネットワーク、トークン化技術の取り込みを進める。
FinTech Futuresによると、LeveL Marketsは、Nasdaqの主力取引所のような公開市場ではなく、機関投資家による大口のブロック取引を匿名で執行するダークプールを運営している。大口注文の規模を外部にさらさずに済むため、約定前に公開市場で価格が動くのを抑えやすい仕組みだ。
同社のATSでは、1日当たり7000超の銘柄が取引されている。15以上の注文・約定管理システムと接続し、約2500社の顧客にアクセスしているという。買い手側の機関運用会社は約300社に上り、プラットフォームの前年平均の日次取引量は56%増加した。
LeveL Marketsは2006年、Bank of America、Citigroup、Credit Suisse、Lehman Brothers、Merrill Lynch、Fidelityなど主要金融機関によるコンソーシアムの合弁会社として発足した。
Nasdaqは2021年にLeveL Marketsの少数持ち分を先行取得していた。LeveL Marketsは翌2022年、買い手側のブロック取引プラットフォームであるLuminex Trading and Analyticsとの統合を完了している。Nasdaqは今回の残り持ち分取得について、「常時稼働市場に向けたNasdaqのより広範な構想を前進させるものだ」と説明した。
今回の買収は、Nasdaqが進める取引時間拡大の動きとも連動する。Nasdaqは米証券取引委員会(SEC)に対し、NMS株式と上場投資商品(ETP)の取引時間を1日16時間から23時間に延長する案を提出しており、この案は4月に承認された。Nasdaqは当時、2026年第3四半期初めの施行に向けて準備を完了する計画を示していた。
LeveL Marketsは買収完了後も独立法人として存続し、スティーブ・ミエレ最高経営責任者(CEO)が引き続き経営を担う。Nasdaqは今回の買収を受け、新組織としてデジタル・リクイディティ・ネットワーク事業部を設ける。
同事業部には、Nasdaqが保有するトークン化関連機能やデジタル資産向け技術ソリューションも集約する。トップにはロランド・チャイが就く。チャイは2023年からNasdaqの欧州市場サービス組織を率い、2026年初めからはデジタル資産戦略も主導してきた。
これに伴い、欧州市場サービス組織の責任者も即日交代する。2021年からNasdaqコペンハーゲン代表を務めてきたニコライ・コサケビッチが、ロランド・チャイの後任として欧州市場サービス責任者に就任する。Nasdaqは、ニコライ・コサケビッチの後任となるコペンハーゲン代表については追って発表するとした。
今回の取引は、単なる取引所機能の拡張にとどまらず、市場構造の再編につながる動きとして注目される。Nasdaqは、公開取引所、ATS、店頭型の流動性ネットワークに加え、トークン化やデジタル資産関連技術を単一の枠組みに統合し、常時稼働市場に対応した基盤構築を進める方針だ。今後は、独立運営を維持するLeveL Marketsが、新設部門の下でNasdaqの既存インフラとどう連携していくかが焦点となる。