デジタルウォレットの普及が進んでいる。だが、利用できるサービスは端末ごとに分かれており、互換性の問題はなお解消されていない。Apple PayやGoogle Walletが機能を拡充する一方で、決済時のトラブルに備えた代替手段の必要性も改めて浮き彫りになっている。
Engadgetが12日(現地時間)に報じたところによると、デジタルウォレットはこの10年で一部の先進的な決済手段から広く使われる支払い手段へと定着した。新しいスマートフォンの初期設定時にクレジットカードの登録を促す画面が表示されるほど一般化しており、主要カード会社の多くも対応しているという。
ただ、使えるウォレットサービスは端末によって異なる。iPhoneではApple Pay、AndroidスマートフォンではGoogle Walletの利用が中心となる。Samsung端末ではSamsung Payも選択肢となるが、端末連携に強みがある一方、対応範囲はGoogle Walletより狭いとされる。
Apple Payでは昨年から、Apple WalletアプリでT-moneyの交通カードが利用可能になった。物理カードがなくても、iPhoneやApple Watchで各種交通機関を利用できるようになった。
一方、Google Walletは各種書類やパスの保存機能に対応している。ポイントカード、パスポート、身分証明書、保険関連書類、イベントチケットなど幅広い情報を管理できるという。さらに昨年からは、子どものデジタル決済を安全に管理する機能も導入した。
もっとも、デジタルウォレットの利便性が高まっても限界はある。決済手段をスマートフォンに集約できる半面、支払いの場面で想定外の問題が起きる可能性があるためだ。このため、デジタル決済のみに依存せず、別の決済手段も確保しておくべきだとの見方が出ている。
スマートフォンのデジタルウォレットに複数のカードを登録しておくだけでも、一定のバックアップにはなる。ただ、デジタル決済に慣れることで利便性を最大限に生かせるとしても、当初からほかの決済手段を完全に置き換えるものと考えるべきではない。
デジタルウォレットの本質は、単なる利便性向上にとどまらない。決済インフラそのものが端末とサービスのエコシステムに結び付いている点にある。普及が進んでも、実際の使い勝手は端末間の互換性と、バックアップ手段を確保できているかどうかに左右される状況が続いている。